2018年01月19日

魔導の矜持(佐藤さくら)

魔導の系譜」「魔導の福音」に続く、シリーズ3作目。

前2作に負けず劣らず、というか、より面白さが増したように思えました。
なかなかのボリュームなので読み始めるのにちょっと躊躇するけれど、読み始めればこっちのもん、と言う感じで、最後まで一気に駆け抜けるように読んでしまった。

内戦後、魔道士への迫害が悪化するラバルタの私塾で学ぶ落ちこぼれ魔道士の卵デュナン。ある日、その私塾が村人に襲われて、師や兄姉弟子が殺されてしまう。生き残ったのはデュナンと幼い三人の子どもだけ。必死に逃げる彼らと出会ったのは、貴族の庶子と元騎士。二人は「魔道士に追われている」という子供たちの嘘を信じ、彼らを助けようとするが・・・。

理不尽な運命から逃れようとする子供たちの逃亡劇。二人を助けるのはちょっと訳ありの二人。
・・・と、そんな設定だけで、うわ、大好物-っ!とのめり込んで読みました、ワクワクドキドキ、そしてハラハラ、時々ムカムカとしつつ、頑張れ、頑張れ、と声援を送りながらの読書。なんだか、前2作よりも力が入ってしまったような気が・・・(笑)

彼らへの理不尽に怒りながら、自分を省みては、ちょっぴり凹むのは、このシリーズを読む時のいつものパターン。あれこれ突き刺さったりもするけれど、頑張ればどうにかなるもんだと励まされたり、人と違ってもいいんだと優しく包まれたりして、ホロリと涙腺を緩ませたりもしました。

1作目のダメダメっぷりが嘘のようにレオンが頼もしく思えたり、でも、相変わらずのゼグスに苦笑いしたり。主人公が変わっても、シリーズ物らしく馴染みの、あの人、この人の登場に嬉しくなったりもしました。様々な出来事を通じて、それぞれがそれぞれらしく変わり、前へと進んでいく。そんな姿に胸が熱くなりました。

巻が進むごとに広がっていくこの世界。これからも、この世界を堪能できれば良いなぁと思いながら読了。
続編、あるかな。あると良いな。





(2017.12 読了)






魔導の矜持 (創元推理文庫)
東京創元社
佐藤 さくら

Amazonアソシエイト by 魔導の矜持 (創元推理文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

ラベル:読書 著者(さ)
posted by すずな at 14:33| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
すずなちゃんが楽しんでいる様子が嬉しいです。
この巻は、これまた、私にとっては忘れられない、大切な一冊となりました。
次はきっとある。そう思って、応援しているところです。
Posted by 香桑 at 2018年01月29日 15:22
>香桑ちゃん
すごく楽しんでます!!面白い本を紹介してくれて本当にありがとう♪
うんうん。香桑ちゃんにとっては凄いプレゼントだったね。私も、おぉ~っとなりました。

次もある!私も、そう思って待っていたいと思います。
Posted by すずな at 2018年01月31日 05:26
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック

魔導の矜持
Excerpt: 佐藤さくら 2017 創元推理文庫 敗走戦が一番難しいと聞いたことがある。逃げることもまた戦いである。 シリーズ3冊目となる今作の主人公を誰か一人と決めることが難しい。デュナンという少女の逃避行から目..
Weblog: 香桑の読書室
Tracked: 2018-01-29 15:08