更年期を迎え、変化する身体、親の介護、偏屈な夫とのアメリカでの生活。そんな日々を語るエッセイ集。
今までの私なら絶対に手に取らなかったであろうタイトル(笑)
昨年秋に福岡に行ったんですが、ちょうど「BOOKUOKA」開催中でして。「福岡の書店員が選んだ激オシ文庫フェア」の中の1冊だったんですよね。何か1冊買おう!と思いつつ数冊を手に取ったんですが、「生欲(せいよく)」というタイトルで書かれた書店員さんの帯の文章に惹かれて思わず手に取ってしまいました。
閉経。女性なら、いつかはやってくるもの。私も、もうそう遠くない日にやってくるんだろうと思える歳になってきたので、気にならないと言えばウソになる。実際、体力の衰えは感じるし、本の文字の大きさも気になる今日この頃。伊藤さんのエッセイを読んで、そんなちょっと不安に感じる気持ちを吹き飛ばしたい、笑い飛ばしたい、そんな思いもあったんだろう思います。
・・・アメリカと熊本を行き来しての父親の介護って!もう、凄いわ、パワフルだわ、とのっけから驚かされました。まぁ、本人にしてみれば、しょうがないじゃない、やるしかないでしょ、って気持ちなんだとは思うんだけど・・・。そして、減らない体重の話やらなにやかにやが、本当に明け透けに書かれていて、読みながら、圧倒されつつ、何やら爽快な気持ちにもなりました。
連載されていたエッセイをまとめたもの、ということで、一つ一つが短かったのも良かったかな。ちょうど、電車でのお出かけ時に読んだので、細切れでも楽しめました。
介護されてた父親との別れのお話もあってシンミリしたりもしましたが、全体的にパワフルで、ふふふふと笑えるエピソードもあったりて、楽しく読むことが出来ました。私もその時がきたら、多少の悪あがきはしつつも、襲い掛かるアレコレを笑い飛ばしながら日々を送れるようにしたいなぁと思いました。
(2018.01 読了)
2018年01月28日
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『閉経記』/伊藤比呂美 ◎ (エッセイ)
Excerpt: 伊藤比呂美さんは、詩人である。 だけど、水無月・Rにとっては〈肩の荷の降ろせる子育てエッセイスト〉なのだ。 長男妊娠時代から次男幼児期まで、伊藤さんの子育てエッセイにどれだけ助けられたことだろう。 妊..
Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。
Tracked: 2018-01-29 16:02
伊藤比呂美さんのカッコよさの詰まったエッセイ集でしたね!
私はホントに、子育て時代に伊藤さんの「いい塩梅(加減)子育て」に救われてまして、あの潔さは憧れです。
かっこいい漢(オバサン)の境地にはなかなか至れませんが、そうなれたらいいなぁ…と思っております。
伊藤さんのカッコ良さに惚れ惚れしながら読みました!
子育て時代のエッセイも興味が湧いてたんですよね。水無月・Rさんが憧れた潔さ、どんなものか益々興味が湧きました。読んでみたいと思います!
私も漢の境地にはなかなか至れませんが、出来るだけ近づければいいですね。