連作短編集。4作収録されてますが、1作はアンソロジー集「時の罠」で読了済でした。
縁結びの神様が、神様を取材するライター(神様)に自分の仕事ぶりを語り聞かせるという形式。神様の一人語りなんだけど、これがもうね、面白くって、読みながら笑いを堪えるのが大変でした。個人的に前作が微妙だったので、ちょっとドキドキしながら読み始めたのですが、最初から笑いっぱなしで、さすが万城目さん!と大喝采を送りながら読みました。
縁結びの神様のはずなのに助っ人で他の願い事を叶えたり、転勤や昇進、そして査定なんかまである。そんな神社会(?)の中で働いているもんだから、神様といっても俗世間にまみれてるって感じで、妙に人間くさい。欲にまみれてるって感じで、親しみやすさは抜群でした。でも、おかげで「神様」だってことをウッカリ忘れそうにはなったけど(笑)
ウハウハ笑いながら読んでたら、最後の章で雰囲気が一変。そうきたか・・・な展開に戸惑いつつ、神様の人間を想う気持ちに泣かされてしまった。普段、ちゃらんぽらんでも、やる時はやる!神様、かっこいー!と泣き笑いでした。こういう部分も、さすが万城目さんだなぁ、上手いなぁと思いました。
ご近所の神社にもこんな神様がいらっしゃるのかなと想像して楽しくなりました。
(2017.08 読了)
2018年01月18日
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『パーマネント神喜劇』/万城目学 ◎
Excerpt: ~ちょっとやだもう、面白いうえに最後にほろりと来ちゃったじゃな~い!~ と、読了したとたん、何故かオネエ口調の感想になってしまいましたよ。 いやだって万城目学さん、ニヤニヤぶはぶは笑いながら読んでたの..
Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。
Tracked: 2018-01-18 22:21
本作は、思い切り笑えて、よかったですよね~♪
しかも、あのラストは神様の<ひと>への思いが深くて、涙が出てしまいました。
こんな神様が、どこの神社にもいてくれたら、素敵だなぁって思いました。
前作が微妙だったのでドキドキでしたけど、こちらは大笑いしながら読めましたね~♪
そして、ラスト!神様の思いに涙してしまいましたね。ご近所の神社にもこんな神様がいてくれるかも…と思うと、ほっこり嬉しくなりますね。素敵ですよね。