2017年05月06日

無貌の神(恒川光太郎)

短編集。

ゾクゾクぞわぞわわわぁぁっとするような、そんな恒川ワールドを堪能した1冊でした。特にタイトル作は、初期の和製ホラーのような物悲しく、それでいて肌が粟立つような、そんな感覚を味わえて、怖かったけど楽しかった。

タイトル作以外で印象に残ったのは「死神と旅する女」かな。死神とタイムトラベルしながら、次々と人を殺していく少女。やがて死神から解放され、家族を持った少女が死神と再会して・・・のラスにトは、うわっと思った。

最後の「カイムルとラートリー」は、怖いというより、人間の愚かさを感じつつ、ちょっと嬉しくなるようなラストで、読後感は一番良かったかな。




・無貌の神
・青天狗の乱
・死神と旅する女
・十二月の悪魔
・廃墟団地の風人
・カイムルとラートリー


(2017.03 読了)

 



無貌の神
KADOKAWA
2017-01-28
恒川 光太郎

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ラベル:著者(た) 読書
posted by すずな at 19:11| Comment(3) | TrackBack(2) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは!
とても面白かったですね。
カイムルとラートリーと死神、この2つが一番好きって言っておられる人が多いみたいですね。
私も中でも、どれが一番好きか?って言われたら、死神かなあ・・・。
殺人描写はあったものの、エロ描写が少なく、ちょっと大きい子供でも読める小説かもしれません。
Posted by latifa at 2017年08月29日 08:13
>latifaさん
返信が大変遅くなりました。申し訳ありません。。。

久しぶりにこういう恒川さんを読んだ!という感じで面白かったですね。
latifaさんは死神~の方がお好きなんですね。私は…カイムルと~も捨てがたく、どちらも選べないです(^-^;
Posted by すずな at 2017年10月23日 05:34
すずなさん、こんばんは(^^)。
恒川さんらしい、寂しいような温かいような、美しい物語でしたね。
「無貌の神」のラストの無力感、切なかったです。
永遠に、あの村で無為に循環していくことになってしまうのかしら・・・。

恒川さんのこういう感触の物語を、また読みたいです!

私も「カイムルとラートリー」が好きでした!
Posted by 水無月・R at 2018年09月10日 20:02
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ネタバレ感想「無貌の神」5つ★  恒川 光太郎
Excerpt: 魔訶不思議な世界を書く恒川さんの小説が大好き
Weblog: ポコアポコヤ
Tracked: 2017-08-29 08:27

『無貌の神』/恒川光太郎 ◎
Excerpt: 久し振りに、恒川光太郎さんの作品。 本作『無貌の神』は、恒川さんの真骨頂ではないでしょうか。 美しく、悲しく、孤独で、それでいて温かい。そんな世界を堪能しました。
Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。
Tracked: 2018-09-10 19:57