赤ん坊の頃、思春期と神社の存在に助けられ、大人になり、神社の神職として働く希美。生真面目な彼女には中学時代から抱える悩みがあり・・・。
巫女さんじゃなく、神職として働く20代の女性が主人公というのが目新しいなぁと思いながら手に取りました。神社の数々の行事や日々の出来事が綴られて、神社の裏側を覗かせてもらっているようで、興味深く、ちょっとワクワクしながら読みました。
でも、希美の抱える悩みは重く苦しいもで。生真面目で20代の浮ついた雰囲気が一切ないのは、そういう訳があったのかと、なんだかやるせない気持ちにもなったり。でも、神社での出来事などから、それに向き合い、乗り越えていこうとする姿に胸を打たれました。時間にしか解決できないこともあるし、様々な経験をしてきたからこそ乗り越えられることもあるんだよなぁということを改めて感じたりもしました。
私も若気の至りで起こした失敗に、今なら、もっと上手に対応できただろうなぁと思うことが多々あります。これから、ちょっとずつそれらと向き合い、いつの日か、スッキリと笑いあえる日が来るといいなぁと、とある人の顔を思い浮かべながら思ったのでした。
まはらさんらしい、清々しい青春小説でした。
(2017.03 読了)
2017年05月06日
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
この記事へのトラックバック