2017年05月06日

ぐるぐるの図書館(アンソロジー)

児童文学のトップランナー5人が「図書室」というテーマで挑んだ競作リレー小説。

図書館で見つけて思わず手に取った1冊。随分と前から”オトナ”をやってる私には、まはらさん以外は初読み作家さんだったんですが、このタイトルと児童書という気安さもあって、迷う余地はありませんでした。

どのお話の舞台も十々年(ととね)小学校の図書室。司書さんも同じ、そして、モヤモヤした気持ちを抱えた小学校5年生たちが、茜色の貼り紙に惹かれて図書室にやってくるという設定までは同じ。そこから、作家さんたちの個性あふれる競演が繰り広げられていきました。あるお話では主人公だった子が、次のお話では脇役になっていたりと、登場人物たちも交錯するんですよね。ここまで設定や登場人物が同じだと、それぞれの作家たちの個性って出るのかなという素人の浅はかな思いを裏切るように、色んなお話が読めました。

最初の子は「後戻りしたくてしょうがない人は、放課後、図書室に来てください。」という貼り紙に惹かれてやってくる。次の子は「家に帰りたくない人は~」そして次の子は「夢をかなえたい人は~」「探しものがある人は~」「やり残したことがある人は~」と色んな貼り紙を見ては子供たちがやってくる。貼り紙の言葉を読む度に、今度はどんなお話が読めるんだろうと、ワクワクドキドキさせられました。

まはらさん以外は初読み作家さんだったんですが、その作家さんたちの他のお話も読んでみたくなりました。



・時のラビリンス(工藤純子)
・妖怪食堂は大繁盛(廣嶋玲子)
・秘境ループ(濱野京子)
・九月のサルは夢をみた(菅野雪虫)
・やり残しは本の中で(まはら三桃)



(2017.03 読了)






ぐるぐるの図書室 (文学の扉)
講談社
まはら 三桃

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posted by すずな at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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