結婚を焦る奥手な長女でアラサー女子の綾香、モテるが同性に嫌われる次女で社会人一年生の羽依、理系でマイペースな三女の大学院生の凛。両親と京都に暮らす三人の娘達。それぞれに悩みを抱えているが・・・。
久々の綿矢さん。
どれくらい久しぶりかというと、2007年に読んだ「夢を与える」以来なので・・・10年ぶりくらい。”芥川賞作家さん”というのは、中々ハードルが高いようです。そんな私がどうして読もうと思ったのか。まぁ、前回読んだ時と同じく、タイトルに惹かれたから、というのが大きいです。それにしても、夢を与えるの感想がかなり失礼で、今更ながら慄いております;;;なので、最初は記事のリンクを貼っていたんですが思わず外しちゃいました・・・。
3人の娘たちが交互に語っていく形式で物語が進んでいくんですが、それぞれの個性や考え方が分かって良かったです。
中でも長女の綾香に親近感を感じながら読んでたんですが、結婚願望が強すぎて途中からは微妙な気持ちになってしまいました。まぁ、私がそこまで結婚願望を持たずに過ごしてきたからで、アラサー女子なら自然なことなんだろうなぁとは思うんだけどね。
次女の羽依の強さは羨ましく感じました。私もかなり気が強いとは思うので人のことは言えないかもしれないけど(笑)でも、先輩たちのイジメに反撃するというのは、なかなか出来ることではないと思うんですよねぇ。それが新人なら、なおさら。それを腹括ってやっちゃうところが凄い!と思いました。
三女の凛が就職先に東京を選んだ時の、両親の反対っぷりにはビックリ!京都愛が強いのは分かるけど、子供が希望することを、そこまで反対するのか!?と思ってしまいました。どうなることかと思ったけど、最後は両親も納得してくれてホッとしました。
三者三様の三姉妹。失敗したり悩んだりしながら、それぞれが一所懸命に真摯に日々を送っている。それは誰だって同じで、みんなそうやって生きているんだなぁと、そんな当たり前のことをしみじみと思った1冊でした。
(2017.01.22 読了)
2017年02月09日
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Tracked: 2018-04-29 09:02
私も綿矢さんの作品は6年振りくらいでした。
たまに読むんですけどやっぱり合わないな…と思ってやめてしばらく経つ…みたいな感じで^^;
この作品はテレビで紹介されていて気になって手に取りました。こちらは大丈夫でした←
三姉妹の性格がバラバラで面白かったですね~。それぞれの生き方とか悩みとか分かるなぁというところもたくさんありました。
私も最初長女が似てるなぁと思って読みましたが、同じく結婚願望があまりないもので途中からちょっと引いて読んでいたかもです^^;それでもいざ付き合い出してから奥手になっている感じは分かるなぁとも思ったりしました。
次女の性格は1番違いましたね。すごかったですよね~。私はあんなふうには絶対できません。男性にも女性にも^^;
三女の生き方は結構羨ましかったですね。何かに没頭できるって素晴らしいことだと思います。親の反対もありましたが、自分の道を貫いている姿がかっこよかったです。
苗坊さんも久しぶりの綿矢さんだったんですね!実は苗坊さんのブログでこのタイトルを見て「久しぶりに読んでみようかなぁ」と思って手に取ったんですよー。私も大丈夫で良かったなぁと思いました^_^;
姉妹なのに3人の性格がバラバラでしたよねぇ。個性的というかなんというか・・・。なので読むほうとしては楽しく読めました。
あら、長女については同じような感想ですね~。次女の行動にはビックリでしたよね。なかなか出来ないですよね。三女のように自分の没頭できるものが見つかって、そこに向かって進んでいけるのは私も羨ましく思いました。親の反対にも負けない強さは次女と似てるのかなとも思ったのを、このコメントを書きながら思い出しました^_^;