2016年04月09日

ヘブンメイカー スタープレイヤーⅡ(恒川光太郎)

「スタープレーヤー」に続くシリーズ2作目。

気がつくと一人で見知らぬ世界にいて、”10の願い”を叶えてくれる。私だったら、どんな願いを望むのだろう。・・・読みながら、ずっと考え続けていました。

最初は、世界に”独りぼっち”なのかと思っていたら、実は同じような「スタープレイヤー」が何人もいて、それぞれが望むことを願い、自分なりの環境を整えていく。国のような集団ができたり、それらが対立して争いがあったり、交易したり。他のスタープレイヤーがどういう風に”10の願い”を叶えているのかを知って、気付いたり、真似てみたり。

スタープレイヤーそれぞれの個性が出ていて面白かった。人間って色んな人がいるんだよな、ということを改めて感じたりもしました。独りぼっちで見知らぬ世界に放り込まれて生きていかなければならない。どうやって自分なりの世界を造り、自分の望みを叶えていくのか。後悔しても望んだものは変えられないし、叶えることが出来る願いは10個しかない。10個って多そうだけど、使おうとすると少ないものですね。自分が創造主になるって、大変なことだよなぁなんてことも思いました。

それにしても、主人公の最初の願いはね、気持ちは分かるけど、どうなのかなぁとか思ったりもして。まぁ、私ならね、たぶん、他の人とは関わらず生きる道を選びそうな気がするからっていうのもあると思うんだけど。だって最初に思いついた願いは「誰かと関わらず、一人で読書に没頭できる世界を造りたい」だったんですもん(笑)いかに、他人との関わりを苦手としているかが表れてますが・・・。それを抜きにしても、あの願いは無いなと思います。そこまで誰かを焦がれたことがないからなのかもしれませんが・・・。


それにしても、このシリーズは今まで恒川さんに抱いていた作品イメージが、ガラリと変わるシリーズですね。1作目の読み始めは戸惑いましたが、これはこれで面白い。2作目ということもあり、この作品世界に慣れたからか、前作よりも没頭できて楽しめました。シリーズ化されるのかな。次はどんなお話が読めるのか楽しみです。




(2016.03.05 読了)




ヘブンメイカー スタープレイヤー (2)
KADOKAWA/角川書店
2015-12-02
恒川 光太郎

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ラベル:著者(た) 読書
posted by すずな at 11:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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