特殊な力を持った少年少女たち6人を主人公とした連作短編集。
お馴染の予知能力やテレパシー、癒しの力以外にも、虫を集めることが出来る少女や剃刀のような力を持ち相手を傷つけてしまう少年なども登場する。自分の力を受け入れている者もいれば、逆に持て余している者もいたり、社会から阻害されている者もいる。
最初はそれぞれ独立したお話かと思っていたんですが、読み進めていくとそれぞれが繋がっていく。そして、最後は彼らの力をひとつにして・・・という、なんだかヒーローものの展開になってしまった。まぁ、それは読んでる途中で予想は出来たけど、ちょっと安易なというかね、もうちょっと違った展開にして欲しかったなぁとは思ってしまいます。彼らの力を発揮する場を設けるのはいいとしても、そこに「そうきたか!」と思わせるような、もう少し何かしらの捻りが欲しかったなぁ・・・。井上さんということで、期待が大きすぎちゃったのかな。ちょっとありきたりすぎて、ガッカリしちゃったような、そんな感じでした。
でも、最初はどうなることかと思った彼らも、それぞれに自分の力を受け入れて、一歩を踏み出していくラストは良かったです。ホッとしたし、ほっこり優しい気持ちにもなれました。
・あした絵
・鬼の声
・空気剃刀
・虫あそび
・魔王の手
・聖なる子
(2015.05.05 読了)
2015年05月08日
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