成人式を迎えた娘から、旦那と私に突然のお願いをされた。それは、「かなちゃんのお仏壇をだして」というもの。実は娘は菜苗ひとりではなく、双子の姉である香苗もいたのだ。しかし、香苗はわずか5歳で不慮の事故で亡くなってしまっていた。ある事情から、家庭内では触れずに過ごしていた香苗ことを菜苗は覚えていたのか。そして、仏壇をだした日から、母である若葉は不思議な体験をすることになり・・・。
ふぅ。ちょっと、あらすじが長すぎたかな;;;
あぁ、素子さんだなぁ。まさしく素子さんだなぁと、なんだかすごく感慨に浸りながら読みました。この文体、この展開。まるで、昔なじみに再会したときのような、そんな気持ちになりながら読み進めました。と、同時に、実はね、ちょっとね、この文体に馴染めないでいる私もいたりしたのでした。懐かしく感じながらも、ちょっと”まどろっこしい”と感じでしまったんですよねぇ。この冗長さ。読んでて、イラッとしちゃったりもしたんですよね。そんな風に感じてしまった自分にもビックリしたんだけど。感じてしまったものはしょうがない。で、そうなると、まぁこれがね、びみょーに・・・以下自粛。
実のところ、途中で挫折しそうでした。それか、中盤をすっ飛ばしてラストだけ読みたくなってしまったんですよね。でも、そんな気持ちをグッと堪えて必死で読みましたよ。なんか、これってどうよ?と思わないでもないんだけどさぁ。まさか、素子さんの作品をそんな気持ちで読むことになる日がやってこようとは・・・。
そして、最後まで”SF”だと思えなかったんです。SF好きなのに。菜苗は納得できたのに、私は納得できなかったんです。最後まで若葉の”精神的なもの”という感覚が抜けなかった。夢っていう設定がどうも、ねー。面白い設定だとは思ったんだけどね。私的に、説得力がなかった。これが、本人が過去にトリップして・・・とかいうのならOKだったんだけどなぁ。でも、それじゃ、使い古された設定になっちゃうんだよね。むーぅ。なんか、すんごいジレンマ。
母親の愛情とか、母娘の関係とかでは、グッとくるものもありました。母親って凄いなぁと、子供が絡むと本当に強いんだなぁとしみじみ感じました。あと、夢で過去の自分に接触してというのも本当に面白いなぁと思ったんですよ。・・・なんかぐだぐだとシツコイですね(笑)
と、そんなこんなで、設定や展開的にはそこそこ楽しめたんだけど、面白かったかというと・・・。最後までこの文体に引っ張られて乗り切れなかったのが敗因かなと思います。残念だし、自分でも結構ショック。
(2015.03.10 読了)
2015年03月11日
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