相変わらずの三崎ワールド。おもいっきり堪能したなぁと思える1冊でした。
見えないけれど「ある」ことにされているタワーを中心とした寂れていく町を舞台に、そこに住む人々を描いた作品。いままで三崎作品に登場したあれこれの姿が垣間見れる。ずっと追いかけてきた読者にとっては、ちょっと嬉しいサプライズ的な作品でもありました。
見えないけれど「ある」タワーとか、「影」を失った男とか、もうね、三崎ワールド全開ですよ。特に嬉しかったのは「象さんすべり台」かな。うわ~とテンションがあがりました。他にも、闇を浴びて育つ「隋道」など、最初は「???」だったものが、読み進んでいくうちに確かな存在感を示すようになったりと、本当に、三崎さんの創り出す世界観に圧倒されました。相変わらず凄いですねー。三崎作品を読むたびに書いてますが、本気で三崎さんの頭の中を覗いてみたいと思っちゃいます。
寂れていく一方の町を再生していくか。住民たちが願う町興し。どうやればいいのか、というのは現実でも大きな課題であると思います。その土地らしさを出すにはどうしたらいいのか。この町には丸川くんがいてくれたのが大きい。でも、現実にはそうそうあることではないのかなぁと思えるし。難しい問題ですよね。様々なことが上手く絡まりあってくれればいいんだけど、そうじゃなければ空回りするばかりだろうし・・・。
と、物語も楽しみつつ、ちょっと真面目に考えたりもした1冊でした。
01響一
02牧人
03理沙
04町長
05丸川
06修介
07駅長
(2014.05.06 読了)
2014年09月14日
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『ターミナルタウン』/三崎亜記 ○
Excerpt: ・・・あ~、・・・う~。 み、・・・三崎亜記さん、世界観の設定ノート見せてくださいぃぃ~!! 私たちの知っている日本とよく似た「この国」。だけど、明らかに構成のルールが違う世界。 多分、どの三崎作品も..
Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。
Tracked: 2015-05-18 20:08
毎回、三崎作品を読む度に「設定ノートが見たい!」と叫びまくっている、私でございます。
他作品に共通するキーワードが出てくると、テンションあがりますよね~♪
登場人物たちがみんな、見えない痛みを抱えながら、それでも前を向いて出来るだけ顔をあげて、進んでいこうとする姿が描かれるラストが、とても素敵でした。
本当に「設定ノート」が見たいですよねー!
他作品との繋がりにはテンション上がりますね。そして、ラストは前向きな気持ちになれて本当に良かったですね。