日本橋本石町にある弥三郎店(通称“やさぐれ長屋”)を舞台に、様々な事情を抱えた住人たちが貧しいながらも一所懸命に生きる姿を描いた連作短編集。
宇江佐さんの江戸人情物語、って感じかな。一本気な職人、出戻りの若い娘、旦那が帰ってこなくなった女房などが、時に喧嘩をしながらも、支えあい助け合って生きている。仲が良くても他人同士、ちょっとしたことでいがみ合ったり、感情のすれ違いもあるんだけど、同じ長屋に住む者同士、最後は落ち着くところに落ち着いていく。そんな人々と、一緒に困ったり、怒ったり、しんみりしたり、そして、笑ったりしながらの読書となりました。
誰だって、生きていればいいことばかりじゃない。大変なこともあるし、ツライこともある。他人には分からない悩みも抱えていたりするんだよなぁと、そんな当たり前のことを改めて思い出させてくれる作品でした。
最後はしんみり寂しくなるなぁと思いながら読んでいたんだけど、あ~良かったなぁと思えるラストに落ち着いてホッとしました。
・時の鐘
・みそはぎ
・青物茹でて、お魚焼いて
・嫁が君
・葺屋町の旦那
・店立て騒動
(2014.05.16 読了)
2014年09月23日
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