様々な事情で飼い主と暮らせなくなった犬を有料で預かる老犬ホームを舞台に、人付き合いが苦手で家族とも折り合いが悪い智美の成長を描いた物語。
タイトルとあらすじを読んで、これはかなり切ない小説で、途中で読むのがしんどくなりそうだなぁと思って、手に取るのをちょっと躊躇してしまいました。でも、近藤さんの小説なので、読みたい気持ちには負けてしまったのでした(笑)
ホームを取り巻く現状、オーナーの事情、そして、そこで働きながら智美の心境も変化していく様子に先が気になって気が付いたら読了してしまってました。
想像してた通り確かに切ないお話でした。でも、それだけではなく、温かく優しいお話でもありました。飼い主に憤ることもあったけれど、やむにやまれぬ事情も理解出来るものもあるし・・・。でも、私はここでは働けないなぁと思います。仕事として割り切れない。そう考えると、智美は凄いなぁと思う。オーナーの麻耶子さんの存在も大きかったんだろうけど、少しずつ気持ちに折り合いをつけて、そして、前に向かって進んでいこうとする。芯の強い女性ですね。
最初は読み切れるかなと不安になった部分もありましたが、最後は温かな気持ちで読み終わることができました。良かった。
(2014.05.01 読了)
2014年09月04日
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