2014年05月29日

華燭をめぐる(有川浩)

スカイロケット第2回公演『ヒア・カムズ・ザ・サン』プログラム「ヒア・カムズ・ザ・サン副読本」に収録された書下ろし”舞台版”スピン・オフ短編。

わざわざ”舞台版”と書いたのには訳がありまして。舞台版のヒア~は本として出版されている「ヒア・カムズ・ザ・ザン」とは、また違ったお話になっています。で、このスピン・オフは、当然、本として出版されている物語ではなく舞台版の方の後日談という位置付けです。それにしても、結局、有川さんは7行のあらすじから3つのお話を創っちゃったことになるんですねぇ。いや、これも凄い!


・・・と、前置きが長くなりました;;;


タイトルから想像できる通り、真也とカオルの華燭をめぐってのお話。短編という形になってますが、周囲の人々それぞれを主人公にした連作ショート・ショートのような形になってるんですよね。

お話や設定が微妙に違う物語たちですが主人公カップルは変わらないので、あの二人がこうして華燭の宴を催すことになったのかと思うと、なにやら感慨深いものがあります。おまけに、舞台版でしか登場しない人物もいるんだけど、この人物の独白がねぇ・・・。切なくって思わず涙腺が緩んじゃう。

そして、主人公カップルも素敵な二人だなぁと改めて思いました。真也がカオルに秘密を告白するのは本当に勇気がいったと思うんだけど、それを聞いたカオルの受け止め方に「天晴れ!」と言いたい。凄いなぁ。私もカオルの半分でいいから、そういうスタンスで物事を受け止められるようになれればいいな、そうなりたいな、と思いました。

それ以外の人々たちの悲喜こもごもも短いながらにしっかりと描かれていて、かなり読み応えというかね、胸に迫ってきたりもして、このお話が読めて良かったなぁと思いました。


舞台版「旅猫リポート」同様に、観劇して、この副読本を送ってくれた友人に感謝です!



このお話が掲載されている副読本(パンフレット)には、この短編の他に、舞台版の台本も掲載されています。なので、短編より先にこちらの台本を先に読むことをお勧めします。台本以外にも有川さん、阿部さん、新井さん(新潮社の担当編集者)の対談やキャストの紹介、稽古場写真など盛りだくさん。とっても贅沢な1冊となっていました。



(2014.02. 読了)



*****

この副読本は、現在(H26.05.29)紀伊国屋書店のWEBサイトで通販購入ができます↓

紀伊国屋書店 WEB STORE


他にも「旅猫リポート」の副読本やDVD(手元にあるのにまだ見てなーい;;;)も購入できますよー!
posted by すずな at 12:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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