女子校の臨時教員として働くことになった美術教師の萩原を描いた「アカイツタ」と、年上の女性と同棲して3年になる大手電機メーカーに勤める耀を描いた「イヌガン」の二つの短編からなる物語。
最初はなんの繋がりもないような二つの物語だったんだけど、読み進めていくと繋がっていることがわかる。・・・え。あれ?まさか・・・うわ、そうきたかぁぁーっ!と驚きでした。1編目の主人公だった萩原と2編目の主人公の耀のギャップが大きかった。その二人の主人公によって、二つの短編の雰囲気がすごく違ったものに感じたのかなぁと思ったんですけど。まぁ、耀と暮らす澪にも驚かされたんだけどね。
1編目だけだったら、ひえぇぇ~~だけで終わった作品だったんでしょうけど、2編があったお蔭で切なさも感じる物語となりました。まぁ、2編目でも「ひえぇぇ~」とはなったけどね(笑)
千早さんらしい、不安定でドロドロ~な物語でした。でも、それだけでは終わらなかったのは良かった。
(2014.01.28 読了)
2014年05月23日
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Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。
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ホント、ひえぇぇぇぇ~でしたよねー。怖かったです。
2編目があってよかったです。こっちもひえぇぇぇぇに変わりはありませんが^m^
耀の純粋さが怖いなと思いつつ2人で幸せになってほしいなとも思いました。
怖かったですよねぇ。さすが、千早さん!と思いました。
二人が幸せになってくれるといいですね。
私は幸せになってほしいと思いつつ、昏い結末が見えてしまいました。「アカイツタ」のインパクトが強すぎたからだと、今になって思います。
千早さんらしい、ドロドロな作品でした(^_^;)。
たしかに「アカイツタ」のインパクトは強烈でしたね。でも、だからこそ、耀と出会ったことで変わっていくんじゃないかなぁ、そうなって欲しいなぁと思いました。
千早節炸裂でしたね^_^;