2014年04月18日

三月(大島真寿美)

連作短編集。
短大を卒業してから20年。当時、亡くなった男子学生の死に疑問を持ったノンは、かつての仲間に連絡を取る。それぞれの道を歩んでいた6人は・・・。

ノンから連絡を貰った領子から始まり、かつての仲間に伝言ゲームのように繋がっていく様は、きっと私の場合でも彼女たちと同じように、かつての友人たちに繋がっていくんだろうなぁと思えました。かつて、あんなに同じ時を過ごした彼女たちだったけど、今では年賀状だけのやりとりだったり、いつの間にやら音信不通になっていたりするんだよね。そんなところも似ていて、共感とは違うんだけど、すごく身近に感じられる物語でした。とはいえ、友人が自殺したというような衝撃的な過去はないんですけどね。

それぞれの友人たちは、それぞれの道を歩み、それぞれ抱えているものがある。久しぶりの電話で話すことはないけれど、何かしら気持ちが繋がって再会することに。
そして、このタイトルの意味が分かるのが、その再会の第5章。まさか「3.11」に繋がるお話だとは思わなかったので、ちょっと驚きでした。でも、だからこそ、最後に深く胸に沁みるお話となりました。

私もいつか、かつての友人たちと過ごしてきた日々を語り合う日が来るかもしれない、来るのもいいかなぁと思ったのでした。


(2013.11 読了)





三月
光文社
大島 真寿美

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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 12:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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