サクサク読めて、最後はちょっとほっこりなれるお話でした。
特別養護老人ホームに勤める25歳の介護福祉士の竜崎徹。ホームのお盆祭りの夜、危篤になった入所者の部屋で写真を探していると・・・。
最初は若い介護士と入所者のお年寄との間に生まれる絆のお話だと思いつつ読んだんですが、まさかまさかのSF展開にビックリでした。昭和初期の芸者置屋と現代の特別養護老人ホームを繋ぐもの。次空を超えて飛ばされた徹が出会った美しい芸者や彼らに関わる人々との間には、実は繋がりがあった。
歳を重ねてきた人々それぞれに、それぞれの人生があったんだよね。その歳の分だけの様々な悲しみや喜びがあったんだということを改めて感じる事が出来ました。老人達の意味不明な言動には、彼らなりの意味があるんだということに気付いた徹と同じように、私も気付かされました。
そんなことに気付かされると、職場に時々かかってくる、訳の分からないクレーム電話のおじちゃんやおばちゃんたちへの対応にも、イライラせずにすむような、そんな気がします。・・・気がするだけで、やっぱりムッとしたり、眉をひそめたりしちゃうんでしょうけどね;;;でも、今までよりはちょっぴりだけでも寛大な(というと上から目線な感じですけど;;;)気持ちで対応できるんじゃないかと思います。
最後は、ベタな展開と言われればそれまでなんですけど、個人的には思わず歓声をあげたくなるくらい嬉しいラストでした。あぁ、良かったなーと心から思えました。ほっこりできて、ちょっとウルッとなれるお話でした。
(2013.06.09読了)
2013年07月11日
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
この記事へのトラックバック