2013年05月06日

噂の女(奥田英朗)

「噂の女」糸井美幸と関わった人々を描いた連作短編集。



ちょっとネタバレ気味です。
未読の方はご注意を。








読み始める前は、連作集じゃなくただの短編集だと思ってたので、様々な「噂の女」が語られるんだろうと思ってたんですよねー。それが2編目で「あれ?」と思い、3編目を読んだところで、やっとその勘違いに気付いたというお間抜けっぷりでした;;;

そんなお間抜けな私とは対照的に、強かな美幸のやり手ぶりに圧倒されっ放しでした。男性だけじゃなく女性をもたらし込む凄さは本当にお見事!それが全て自分の得になることの為だけってのが凄いです~。雀荘のバイトをしながら客の社長をたらし込んだかと思えば、料理教室では不正を暴き、歳の差婚で遺産をせしめた後は、高級クラブのママに落ち着く。そこで終わりかと思えば、政治家までたらし込んで、まんまと2億円を巻き上げ逃走・・・。

本当にイヤな女なんだけど、いやいや、お見事!って拍手喝采を送りたくなりましたねぇ。

私にも彼女の10分の1でもバイタリティというかね、そんなものがあれば・・・と思っちゃいました。まぁ、バイタリティがあっても、人をたらし込める”魅力”がなければ、どうにもならないんでしょうけどね。やっぱり、一番はそこだよね。でも、それって持って生まれたものっていう部分も大きいような気もするので、いくらバイタリティがあっても私には無理な話なんでしょね、きっと(笑)

最後は、とうとう・・・と思ったんですが、まんまと逃げおおせてしまったようで。イヤな女で最後は罪を償わせたいという気持ちもありつつ、ちょっと爽快な気分を感じていたり。・・・と、そんな風に思ってしまう私も、すっかり美幸にたらし込まれちゃったんでしょうか(笑)



・中古車販売店の女
・麻雀荘の女
・料理教室の女
・マンションの女
・パチンコの女
・柳ヶ瀬の女
・和服の女
・檀家の女
・内偵の女
・スカイツリーの女



(2013.04.15読了)





噂の女
新潮社
奥田 英朗

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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 14:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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