2013年04月23日

竜の雨降る探偵社(三木笙子)

短編連作集。
「帝都探偵絵図シリーズ」は明治ですが、こちらはその昭和版って感じかな。だって、やっぱり「美しき青年」が登場するんですもーん(笑)似たような設定なら「帝都探偵~」の方が読みたいんだけど・・・と思いながら読み始めたんですが、こちらはこちらで楽しめました。


昭和30年代の新宿。珈琲店の二階で探偵業を営む青年・櫂とその幼馴染の慎吾。慎吾は故郷のことで櫂に後ろめたさを感じている。探偵社に持ち込まれた事件をいつの間にか慎吾も一緒になって解決することになってるのだが・・・。

うーーーん、ちょっと違ってるような気もするあらすじですが。ま、概ね、そんな感じということで(笑)


持ち込まれる謎を解きつつ、二人の故郷で起こった出来事にちょっとずつ迫っていくって感じかな。最初から匂わせてたので、それぞれの事件よりも慎吾が抱える後ろめたさと櫂の気持ちが気になって、気になって、しょうがなかったです(笑)

もちろん、探偵社に持ち込まれる事件とその真相に辿り着くまでも楽しませてもらったんですよー。でも、まぁ、探偵物としてはちょっと弱いかなという感じではあったんですけどね。途中で、真相が分かってしまったのもあったし。ただ、この著者らしく趣のある雰囲気とほっこりとした温かさを感じられて良かったです。

そうそう!第3話では名前だけですが「帝都探偵絵図シリーズ」の礼が登場しました。おぉーっ、と興奮しちゃったんですが、「え。それって・・・」と気になる記述に戸惑いというか、不安というか・・・。「別れの雨」というタイトルの男の絵。すっごい気になります。本当に気になります。そっちのお話も読みたいと思いつつ、でも、なんだか読みたくないような、そんな複雑な気分です。



で。ここで、ちょっとネタバレです。
未読の方はご注意を!












「こ、これってファンタジーだったのかーーーっ!!」とビックリの展開でしたねぇ。いやぁ~、まさかそんなオチが待ってるとは思わなかったので本当にビックリしました。見事にヤラレタなぁって感じでしたね。何気ない会話で出てきた”真澄の好みの男性”って、最初は「なんじゃ、そりゃ?」と思ったんですが、しっかり伏線だったのかーっ、くぅーっ、気付かなかったよ;;;とすっごく悔しくも思ったり(笑)

ビックリしつつ、すっごく切ないラストに胸が痛みました。でも、とても優しい物語でした。




第一話 竜の雨降る探偵社
第二話 沈澄池のほとり
第三話 好条件の求人
第四話 月下の氷湖



(2013.04.01読了)




竜の雨降る探偵社
PHP研究所
三木 笙子

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ラベル:読書 著者(ま)
posted by すずな at 05:44| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは^^ようやく回ってきて読めました。
三木さんの描かれる世界観が大好きです。
この作品も良かったですー。
櫂と慎吾の関係がきゅんきゅんしちゃいました。
そして最後にちゃんとまとまってよかったねと思ってからのまさかの展開にびっくりしました。
私はあの終わり方、好きです^^
そしてまさか礼の名前が出てくると思わず叫びそうになりました。凄くテンションが上がったんですけど、絵のタイトルを聞いてそのテンションが一気に下がりました。
何だか凄く不安に駆られますよねー。早く続編を読みたいです。
Posted by 苗坊 at 2013年07月31日 23:45
>苗坊さん
私も三木さんの世界観が大好きです!
二人の関係が良かったですね。まさかの展開にはビックリでしたけどね;;;
礼の登場に私は叫んじゃいましたよ(笑)絵のタイトルは意味深で不安になりますよね。続編が読みたいような、読みたくないような…です。。。
Posted by すずな at 2013年08月02日 12:58
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竜の雨降る探偵社 三木笙子
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