齢73歳で北海道開拓を志した医師の関寛斎。その妻である、あいの生涯を描いた物語。
髙田さんにとって初めての実在の人物を描いた物語になるのかな。そのせいなのか、みをつくしシリーズや他の作品のようにテンションが上がらなかったなぁというのが正直なところ。髙田作品なので、ついつい涙腺が緩んじゃう!・・・っていう期待が大きすぎたのかもしれません。
でもね、だからって面白くなかったってことではないんですよ。農家の三女として生まれ、従兄で医師の寛斎と結婚した後、千葉から徳島へ移り住み、晩年は北海道開拓を志した夫と共に極寒の地へと向かった波乱の人生。様々な苦労もありながら、前向きに、ひたすら夫に付き従って、ひたむきに生きるあいの姿にとても感銘を受けたりもしました。
ある意味「頑固一徹」みたいな夫。そんな夫に寄り添うあいが、子供たちや周囲の人々との間に入って、強張った関係を和らげていったり、頑なな夫の気持ちを解したり。夫である寛斎もあいの言葉にはちゃんと耳を傾ける。そんな二人の姿が、とても素敵だなぁと素直に思えました。お互いを敬い、思いやっている夫婦だからこそ出来ることですね。
北海道に渡ったものの、あいは病に倒れてしまって、本当の意味での開拓は出来なかったんですよね。本当に無念だったんだろうなぁと思いました。そんなあいは、希望通り寛斎が開拓した土地でその夫と一緒に眠っているそうで。いつか、北海道に行った時には、その場所も訪ねてみたいものだなぁと思いました。
・・・まぁ、それはいつになるのか判りませんけど(笑)
(2013.02.07読了)
2013年02月17日
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