待ってた坂木さんの新刊!手元にやっと届いてウキウキしながら読み始めたら、なんだか雰囲気が違ってて最初はちょっと戸惑いました。おまけに、ボリュームがあるしさぁ。坂木さんってそこまでボリュームのある作品を書かれるってイメージがなかったので、そっちでも戸惑ったというか、「あれ?」と意外に思ったのでした。
・・・と、最初は色々と戸惑ったものの、読み始めるとそんなことは些細な事でして。どっぷり作品世界に浸って一気読みでした。いや~面白かった!
父親がIT関係の社長さんという、そこそこ裕福な家庭で育った高校生の泳。サーフィンは好きだけど、そこそこ上手いという程度でそこまでのめり込んでる訳でもない。エスカレーター式の私立校に通っているから受験もない。そんな泳が、アマゾン川の逆流現象「ポロロッカ」の存在を知ったことから、それまでの生活が一変する・・・。
一言で言えば、高校生である泳の成長物語。まさに青春小説!って感じでした。「アマゾンに行って、”ポロロッカ”という終わらない波に乗る!」と決めた泳が、それまでのダラダラと過ごしていた日々から一転、旅費を貯める為にバイトを始めたり、旅のあれこれを手配したり、両親を説得したりと、様々な経験を経て成長していく。その成長ぶりが、目覚しすぎて!読んでて興奮しちゃいました。まぁ、両親と同じでちょっと寂しさも感じたりもしたんだけどね。・・・すっかり、おばちゃん目線での読書だったなぁ(笑)
泳の成長はアマゾンに行っても止まらない。経験の全てが成長への糧となっているって感じで、一行毎に泳の成長が感じられる、そんな印象でした。その成長のスピードに読んでるこっちが付いていけないような感覚も味わいました。坂木さんにしては、ビックリなエピソードもあって「・・・え?おいおーい;;;」って思っちゃったこともあったんだけど(笑)沢山の経験をして、色んな意味で”オトナ”になった泳くんなのでした。
途中までは、内容とタイトルがしっくりこなくて違和感とまではいかないんだけど、「どうしてこのタイトルなんだろう」と思ってたんですよね。それが、ポロロッカの波に乗ったところで、このタイトルの意味が判って、「うわ、そういうことかーっ!」と興奮しました。
そういえば、引越しのバイト先でお客さんが紹介した「品川デンタルクリニック」ってシンデレラ・ティースの歯医者さんですよね~。・・・ですよね、たぶん^^;名前だけの登場でしたが、ちょっとテンションが上がったのでした。
坂木作品にしてはミステリーではないど真ん中!な青春小説だったけど、とーっても楽しめました。
(2013.02.04読了)
2013年02月11日
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大きな音が聞こえるか 坂木司
Excerpt: 大きな音が聞こえるか著者:坂木 司角川書店(角川グループパブリッシング)(2012-12-01)販売元:Amazon.co.jp 八田泳、高校一年生。そこそこ裕福でいわゆる幸せな家庭の息子。帰宅部。唯..
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Tracked: 2013-02-23 23:04
またまた失礼します。
坂木さんの新刊だ!と思って内容も分からず読んだのですが、本は分厚いし雰囲気は違うし戸惑いましたよねー。
ポロロッカにすぐ行くのかと思ったら全然行かないですし。
一人の少年の成長物語でしたね~。いつもとテイストが違いましたが、大満足でした^^
シンデレラティースの歯医者さんに勤める人が出てきましたよね!そういう小さなリンクが嬉しかったです。
今までの坂木作品と雰囲気が違いましたよねー!おまけに分厚いし^^;でも、少年の成長物語として楽しく読めたので良かったですよね!
そうそう!ポロロッカにもなかなか行かなかったですねぇ。読みながら、「さぁ、行くぞ!」ってところで終わるんじゃないかとドキドキしました(笑)
あ、やっぱりシンデレラティースですよね!こういう他作品との小さな繋がりは嬉しいですね♪
泳の成長に関しては、私も完全に近所のおばちゃん目線でしたよ~。あんなにダメだった子が、こんなに成長して・・・(涙)、みたいな(笑)。私の一番上の甥っ子もちょうど泳と同じような年なので、しばらく会わないうちに、泳のように短期間で成長しちゃったら、それはそれでちょっと寂しく感じるだろうなぁと思いました(泳のお父さんみたいに(苦笑))。
今までの坂木作品とはちょっと違った感じでしたね。
泳については、べるさんもおばちゃん目線でしたか~(笑)甥御さんが同年齢なら余計にアレコレ考えちゃいますね。私も「もうちょっとしたら・・・」と小学生の姪を思い出してしまいましたもん^^;泳みたいに短期間で成長しちゃったら私もかなり寂しい思いをするんだろうなぁ・・・と思います。・・・そんなことを思ったら、なんだかシンミリしちゃいますねぇ。。。