号泣。
ズタボロ・・・ってくらい、泣きまくってしまいました。昼間に読めて良かった。これが夜だったら、次の日、瞼が腫れて大変だったよ;;;
雄猫ナナの目線で描かれる青年サトルとの最後の旅。サトルがある事情でナナを飼えなくなって、次の飼い主を探す為の旅に出る。飼い主候補は青年の友人達。そこでナナが出会った人々は・・・。そして、旅の最後に待っていたのは・・・。
我が家にも猫がいるからって訳ではないんだろうけど、青年の事情ってのはすぐにピンときた。仕事が無いってだけで家族同然の猫を手放すってのは考えられないからね。この予想は当たって欲しくないなぁ・・・と思いながら読み進めたんだけど、当たって欲しくない予想程、当たってしまうものなんだよねぇ。最初は、ナナのユーモラスな口調に思わず吹き出したり、微笑んだりしてたんですが、旅が進むにつれてだんだんと重苦しい気持ちになっていく。それでも、全編に漂う優しく温かい想いがじわじわと心に沁みてくる。切なさと優しさに何度も、何度も、何度も涙した。
ナナの飼い主を探す旅であると同時に、サトルの小学校、中学校、高校&大学の友人達を訪ねる旅でもあり、彼らが語るサトルとのエピソードに、泣いたり笑ったりしながら胸をぎゅーーっと掴まれる心地がしました。みんな、サトルが大好きなんだなぁということが分かって、サトルの事情もあもんだから、余計にじわ~んと・・・というより、涙腺が刺激されまくり、泣きまくりでした;;;
そして、私がもしサトルだったら・・・と考えると、こんな風に訪ねていける友人を持つサトルが羨ましくもあり、ちょっと妬ましくもあり・・・。サトルの人柄なんだろうけど、本当に良い友人達だなぁと思いました。
そして、ナナとサトルの最後の旅は北海道。亡くなった両親に代わって育ててくれた叔母ノリコの元へ。
もうね~このノリコさんの猫ちゃんに対する態度が!ナナのユーモラスな語り口もあって、思わず笑っちゃいましたよ。猫に親しんでないと、こういう風になっちゃうんだなぁと改めて知りました。最初にしっぽとかありえーん(笑)
と、笑いを提供してくれたノリコさんでしたが、その舌禍にはちょっと、ね。なんだか自分を見ているようで、びみょーな気持ちになりました。私もひょいと口にしちゃうことが多くって、あとで焦るんだけど後の祭り・・・。そんな経験が多いので、読みながらノリコさんの発言に「あいたたたた;;;」って・・・。イタかった;;;
ラストはもうぐちゃぐちゃ。号泣の域を越えていました;;;自宅の部屋に篭って読んで大正解。あれは人様にお見せできる姿じゃなかったよ(笑)
ナナの想いがもうね、もうね、もうねーーーっ!!もう言葉に出来ない。サトルの切なさも分かるから余計にグッときたんだろうけどさぁ。基本、猫ちゃんと子供が頑張る話には弱いんだよーぅ。二人の絆の強さと愛情の深さにヤラレまくりました。そして、猫と一緒に暮らしている身としては、ちょっと羨ましくも思ったのでした。こんな風に猫ちゃんに想われる飼い主っていいなぁ・・・。
哀しくってボロボロ泣いちゃったけど、優しく愛に溢れた物語で、ほっこりと温かさに包まれる読後感。今回も素敵な物語をありがとうございました。
pre-Repoet 僕たちが旅に出る前のこと
Report-01 コースケ
Report-02 ヨシミネ
Report-03 スギとチカコ
Report-3.5 最後の旅
Report-01 ノリコ
Last-Report
(2012.11.19読了)
2012年12月11日
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私も読みました。
私、小説を読んであまり泣かないんですが、この作品は久々に泣きました。ナナが最初はいつでも野良に戻ってやるぜって感じだったのに。最後の言葉にはもうやられましたよ~!!
サトルも良い奴でしたし、サトルの友達もみんな良い奴でした!もう有川さんは素晴らしいに尽きます^^
泣けましたねぇ;;;私は涙腺が緩いので、すーぐ泣いちゃうんですが、今回は「泣く」って言葉以上でが足りないくらい、もうボロボロ号泣でした^^;
私もナナの最後の言葉にはやられました!野良だったナナが最後には”サトルの猫”になってましたね。
サトルや友人達も良い人たちで、本当に素敵な物語でしたね~。素敵な物語を紡いでくれた有川さんに心から感謝です。
私がサトルの立場だったら、こんなに大事な猫を引き受けてくれる友だちがいないから、途方に暮れてしまうかも。サトルが本当にいいヤツなだけに、読めば読むほど、なんでこんないいひとがーー!って理不尽な思いばかりが湧いて来ました。ハチもナナも、サトルに飼われて幸せでしたよね。
この作品はは泣けますね;;;
私もサトルだったら、ナナを引きうけてくれる友人っているのかなぁ…と思いました。サトルは本当にいいヤツでしたね。私も理不尽さを感じずにはいられませんでした。
いい人の周りには、いい人が惹き寄せられるんでしょうね。人だけじゃなくて、動物も。
なんか今回は、純粋に泣きまくりました。
泣いたけど、暖かい気持ちになれて、幸せな読書でした。
ホントに。「類は友を呼ぶ」って感じなんでしょうね~。
私も泣きまくりでした。でも、哀しいけれど、ほわんと暖かい気持ちに包まれるような読書が出来る作品でしたね。