面白かった!
「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれた幼馴染の江戸女三人組が、突然のお伊勢参りに繰り出した。道中は波乱の連続で・・・。
それぞれの家庭や仕事を放り出しての道中。三人それぞれの胸に秘めた思いや巻き込まれた事件に、泣いたり、笑ったり、ハラハラしたりと、とーっても楽しめました。
旅先での様々な出会いがありました。騙されて道中の資金がすっからかんになったり、足をくじいたおばあさんを助けた事で無くした資金を調達出来たり、事件に巻き込まれちゃったり、そして、騙された相手にきっちり仕返しも出来たりもして!三人がそれぞれの特技を生かして、なんとか切り抜けていくのが痛快でした。そして、出会った人々との交流を深めていく様子は、読んでいて胸がほっこりと温かくなりました。もちろん、涙腺の弱い私はウルウルしちゃったりもしたんですけどね(笑)
そうそう!恋もありました~。最初は「騙されてるって!」と喚きながら読んでたんですが、相手も真剣だったようで・・・。予想が外れて「あれ?」と思いつつ、ちょっと嬉しくなったりもしました。それにしても、相手をあの有名人にしちゃったのはビックリでしたけど。分かった時には「えぇーっ!」と叫んでしまいそうになりましたよ(笑)最後はそういう決断になるとは思わなかったってのが正直なところ。ちょっと切なかった。
面白かったんですが、ラストがちょっと尻切れトンボのような心地がしてすっきりしないっていうか・・・。出来れば、江戸に帰った三人の様子も描いて欲しかったなぁ・・・。お以乃はきっと母親と一膳飯屋を切り盛りしつつ書いてるんだろうと思うんだけど、お志花はどうなったのか、お蝶の小間物屋や家族との関係がどうなったのか、とっても気になる。
とはいえ、旅物語としての面白さは文句なし。私もお伊勢参りに行きたくなったのでした。赤福食べたい(笑)
(2012.12.02読了)
2012年12月20日
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「ぬけまいる」/朝井まかて(講談社)
Excerpt: 「ぬけまいる」/朝井まかて(講談社) 母と二人で一膳飯屋を切り盛りしているお以乃。譜代の御家人の良き妻・お志花。江戸で知らぬ者のない小間物屋の女主人・お蝶。3人は共に今28歳の幼馴染たち。若い頃は..
Weblog: 京の昼寝~♪
Tracked: 2013-07-16 12:22
『ぬけまいる』/朝井まかて ◎
Excerpt: 柄杓を持って、お伊勢に行こう♪ なんだか、私も旅に出たくなりました。…つっても、しがらみがイロイロあるから、ホントは出られませんが(^_^;)。 でも、猪鹿蝶3人と一緒になって、ワクワクしながら旅をす..
Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。
Tracked: 2014-06-21 21:58
楽しかったですねぇ!
路銀も自分で稼ぎ出しちゃうのが、すごいですよ、ホント!
猪鹿蝶の帰路もきっといろんなことがあったでしょうし、江戸に帰ってからどうなっちゃうんだろうってのも気になりますよね。続編出ないかしらん、と思ってます。
楽しかったですよねー!「この後はどうなるの?」とわくわくしながら最後まで読めました。
帰路も江戸で帰ってからも、どんなことがあったのか、すごーく気になりますよね!続編を読みたいですね。