阿蘇を舞台にしたファンタジー。
阿蘇が舞台と言ったら、つい「黄泉がえり」を連想しちゃいます。梶尾作品の初体験が「黄泉がえり」だったから、どうしてもその印象が強いんですよねー。面白かったから余計にね。でも、映画化されたら・・・以下自粛。そんな「黄泉がえり」と舞台が一緒ということもあって、なんだか内容がちょっと似てるかなぁと思っちゃいました。設定自体は全く違ってるんだけどね。個人的には、「黄泉がえり」の”姉妹編”みたいな印象を受けてしまいました。
阿蘇行きの旅客機が阿蘇外輪山に墜落。その乗客乗員62名は消失し、一人だけ救出された知彦は記憶のほとんどを失っていた。唯一憶えていた婚約者の行方を探すために、搬送されていた病院を抜け出した知彦は・・・。
なんだかすっごい辛口感想になってしまった;;;
楽しめたー!と言う方、ファンの方などはここでお引き返しいただけると幸いです。
主人公である知彦が飛行機事故から意識を取り戻した後、いきなり病院を抜け出すんだけど、そこからすでについていけなかった;;;まぁ、その行動には「どうして衝動的に抜け出してしまったのか・・・」って主人公も自分の不可解な行動に疑問を感じるんだけどね(笑)その後、婚約者の弟に拾われて、そうした行動にも理由があったことが分かるんだけど、やっぱりスッキリしなくって・・・。おまけに、彼が抜け出したことで、きっと病院や世間では大騒ぎになっただろうに、それには一切、触れられてないんですよね。そこにも不自然さを感じてしまいました。まぁ、その大騒ぎってのは、このストーリーには何の関係もないって言えばないんだけどさぁ・・・。でも、そういう部分に全くリアリティを感じられなかった。ご都合主義感満載で「なんだかねー;;;」って感じでした。と、最初の最初で違和感を感じてしまったのがいけなかったのか、なんだか最後までのめり込めないまま読了してしまいました。
や、ツマラナカッタということではないんだけどね。こういうファンタジーは好きだし。でも、なんていうかねぇ、違和感も拭えないままだったし、おまけに先が読めすぎたって感じなんですよね。阿蘇のパワースポットをずっと守ってきた人々の物語で、そのパワースポットの解釈とかね、「ほほーぅ、なるほどー!」と思ったりもしたんだけど、ねぇ。
けど、「こうなるんだろう」「こうきたりして~」と思った通りに展開されていくと、ハラハラドキドキってのが少ないんですよねー;;;こういうファンタジーは「どうなるの?うわ、そうきたかー!」っていうのが楽しいんだけど、それがほとんど感じられなかったんですもん。「黄泉がえり」のような面白さを期待してた分、ガッカリ度も大きかった。そんな印象でした。
ファンタジーって大好きなので、普通ならここまで辛口になることはないんだけどね;;;「ファンタジーなんだから!」という言葉で納得できれば良かったんだけど、なんだかそれではスッキリなれなかったのでした。自分でもどうしてなのか分からない・・・。好きな作家さんなので、そう感じてしまった自分にもビックリなんだけどね。てか、好きな作家さんだったから、期待も大きくて余計に残念に感じたのかもしれませんが・・・。
ということで、なんだか残念な読書となってしまったのでした。うーーん;;;
(2012.09.15読了)
2012年09月19日
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