シリーズ3作目にして最終巻。
ようやく完結となりました。うだうだしてる閻魔に「とっとと、奈津を探しに行かんかーいっ!」とツッコミまくった2巻から、さて、どうなることやら。閻魔は奈津を無事に探し出せたのか。再会出来たとしても、かなり高齢である奈津はどんな状態なのか。ワクワクしつつも、ドキドキ不安の方が大きいかな、という気持ちで読み始めました。
ネタバレ気味のような・・・。
未読の方はご注意を。
最初の奈津の手紙で、もうね、涙が・・・。兄さまを想う奈津の気持ちが切なすぎて、胸がぎゅーっとなっちゃいます。
この手紙で不安が増すばかり。だ、だだだ大丈夫なの!?閻魔はちゃんと奈津を探し出せるの!?まさか、一歩遅かった;;;とかならないよねーっ!?そうなったら、閻魔を袋叩きにしてやるーっ!と、心の中でかなり過激な発言をしながら読み進めました。
ついつい閻魔と奈津の関係ばかりを追ってしまうんだけど、このお話は二人の恋物語ばかりではないんですよね。不死となった閻魔と夜叉の哀しみや二人の関係の変化、閻魔と深い関わりを持つことになり助け続けた牟田家の人々、”不死”を偏執的に追い求めるものも現れたりもして。これらが、戦後の高度成長期の様子と相まって描かれている。急激に変わっていく日本の中で、様々な人々の感情や繋がりが描かれていて、社会派というほど硬くはないけれど、なかなか読み応えのある物語でもありました。
でーも!個人的にはメインはやっぱり閻魔と奈津(笑)それも、閻魔よりも奈津に肩入れして読んでしまってるので、閻魔のウダウダっぷりにダメ出しの連続ですよ。もうね、ホントに100年も生きてるくせに、いつまで経っても…以下自粛。
奈津が失踪した理由というのが、老いていくだけの自分が若者のまま変わらない閻魔を日々見つめ続けることへの葛藤というかね、そこら辺のことなんだろうと思っていたら、実は秘密があって・・・。その理由にはびっくり!夜叉っ!おーまーえーはーーーっ!と、最初はムキムキしてたんだけど、夜叉の気持ちもなんだか分からなくもないような・・・という感じでして。ちょっと複雑な気持ちになりましたね。
最後の最後でようやく奈津を見つけ出した閻魔。間に合って良かったよーぅ!短い、本当に短い時間だったけど、夫婦として過ごせたのは良かった。穏やかで優しい日々を読みながら、ちょっとホロリとなったり。
・・・の後には、アクション大脱走劇が始まってしまって(笑)まぁ、そういうてんこ盛りな感じもこの作品の魅力ですからね。奈津との日々を終わって、次は夜叉との関係だよ!と、分かりやすい展開も、ちゃんと楽しんで読めましたよー。
ラストは閻魔と夜叉が新たな関係を築いて、今もどこかで元気に暮らしている・・・そんな、シーンが描かれていました。恵子目線で、だったのも個人的には良かった。波乱万丈の閻魔の人生を読んできたので、穏やかなラストにホッとしました。
・・・と、読後感も良くって、満足の最終巻でした。
(2012.08.18読了)
2012年08月31日
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