第147回直木賞受賞作。
実は直木賞が発表される前に読了してたのに、記事UPはこんなに遅くなってしまいました;;;最近、読了と記事UPのタイムラグがありすぎてダメダメですなぁ・・・。もうちょっと頑張って、出来るだけリアルタイムで記事UPできるようなしなきゃなぁ;;;
ということで、直木賞受賞作のこの作品ですが、長編じゃなく短編なんですよねー。私的にはちょっと苦手な短編;;; でも、辻村さんだぁ!と思わせる作風というかね、不快感とか痛かったりとかは満載でして、最後まで飽きずに(これ、短編に関しては私としては最大級の褒め言葉!)読了しました。
どのお話も女性が主人公で、フトしたことから陥ってしまった状況に、もがけばもがくほどズルズルと引きずられていく。気づいた時にはもう抜け出せなくなっていて身動きが取れなくなってしまっているという様子がね、結構、リアルで読んでいてゾッとしました。自分でもいつこんな状況に陥っても不思議じゃない、そんな風に思えて恐かった。
とはいえ、この女性たちにはあまり共感は出来なかったかな。共感よりも「ぎゃーっ、怖いーっ」とぞわぞわしちゃう方が大きかった;;;
・仁志野町の泥棒
最後の本当に忘れているらしい様子に、ビックリというよりも恐さを感じてしまった。あの状況を経て、そんなに完全に忘れられるものなの?ちょっと理解できない。
・石蕗南地区の放火
ひー;;;って感じでした。でも、こういう精神状態に自分が陥らないとも限らないんだよなぁ・・・なんてことも思えたりして。だから、余計に恐かったのかなぁ。
・美弥谷団地の逃亡者
5編の中で一番、印象に残った。読めば読むほど、どうしてこんな男に付いていってるのか分からなかったんだけど、ラストを読んで納得。・・・というか、ひえぇぇっ;;;でした。一気に恐怖が全身を駆け巡った、そんなお話でした。そりゃ、付いていくしかないよね。
・芹葉大学の夢と殺人
これ、既読でした。・・・とはいえ、どこで読んだのかは記憶にないんだけど;;;
どうしてこんな男に必死にしがみ付いてたんだろう・・・って、すごく不思議でしょうがなかった。死の真相にはびっくり。
・君本家の誘拐
切なかった。端から見てると、ある意味、滑稽でもあるんだけど、この追い詰められた感が堪らなかった。
それにしても、まさかこの作品で直木賞を獲っちゃうとは思わなかったってのが正直なところ。短編集だからか、もうちょっと感みたいなのがあって、個人的には、この作品よりもその前に候補作に上がってた長編2編の方が好きだったんだけどなぁ・・・。
とはいえ、直木賞受賞はすごいことです!おめでとうございますm(__)m
(2012.07.10読了)
2012年07月26日
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本当に救いようのない話ばかりで^^;登場人物みんな好きではありませんでした。そういう話を書かせたらピカイチな辻村さん(褒めてます)流石だなと思いました。
直木賞は原田さんか貫井さんかなと思っていたので意外でした。
でも辻村さんも3度目ですもんね。めでたいです^^
登場人物に共感を持てないお話ばかりでしたねぇ。辻村さん、流石ですよね!←褒めてます(笑)
直木賞はこれで獲っちゃったのかぁ…という気分でした^^;受賞したのは嬉しいんですけど、過去候補作の方が好きだったので…。ま、でも、めでたいことですね!