アンリ・ルソーの絵を巡るミステリー。
スイスの大邸宅に所蔵されている「夢を見た」というタイトルの絵。ニューヨークの近代美術館が所蔵するアンリ・ルソー作「夢」とほぼ同じ構図、同じタッチの絵は、果たして真作なのかそれとも贋作なのか。二人の若き研究者が謎の古書を読みながら7日間でその真贋を鑑定をすることになるが・・・。
面白かった!
美術館めぐりは好きだけど、鑑賞したものについての知識を深めようということは全くしてないワタシ。眺めるだけで楽しいんですよねー。そんな、絵画についての知識が皆無の私でも、途中で躓くことなく、最後まで一気読みしちゃいました。
謎の古書を7日間で1章ずつ読んで、最終日に絵画の真贋を鑑定する。その古書の主人公はルソーであるようだが、それを書いたのが誰だかは分からない。ピカソに影響を与えたという記述があったり、「夢」のモデルになった女性についても書かれているその古書。この内容の真偽の程は・・・と、絵画だけではなく、その古書についても謎に満ちていて、どういうこと?どうなるの?と、ドキドキワクワクしながら読みました。
真贋についてのミステリーも楽しめましたが、古書に描かれてた当時のパリの画家達の様子にも興味津々で読みました。彼らが時には貧困に喘ぎながらも、絵画への情熱を燃やし、作品を生み出そうとする様子が生き生きと描かれていて、私もその時代にスリップしたかのような気持ちになって読みました。
最後に真贋の鑑定をする場面ではドキドキが最高潮!絵画の真贋について二人がどんな判定をするのか、ワクワクよりもドキドキの方が大きくって。もうね、すっごい緊張したよ~!おまけに、「えーっ!?」と驚きの展開もあったりもして、なかなか楽しませて貰いました。まぁ、絵画の所有者に関しては予想通りだったんだけどね。「えーっ!」という驚きも欲しかったという気持ちもありますが、それに関しては「やっぱりね~!」と嬉しかったので良し、ということで(笑)
また、絵画の真贋を鑑定する事になった男女の絡みについても、どうなるの?どうするのーっ?と期待と不安半々でして・・・。まぁ、期待していた波乱がなかったのは「あれ~?」と肩透かしを食らった気分で、ちょっと・・・いや、かなり残念だったんだけどね(笑)あと、娘に関しても、予想と違っててちょっとビックリ&ガッカリだったんだけどね。でも、ラストでは、二人はこれからきっと良い関係を築いていくんだろうな~と思えて良かった。
「美術ミステリー」ということで、専門的な記述もあるだろうし、読み始める前はね、正直、楽しめるかなとちょっぴり不安もあったんだけど、それは本当に杞憂でした。ど素人の私でもとっても楽しめました。うん、面白かった!
(2012.06.10読了)
2012年06月19日
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読みましたー。いろんな方々が絶賛されているのがよく分かった作品でした。面白かったです!
私も美術館、博物館めぐりが大好きです。でも、勉強しようと思ってもなかなか頭には入らないですよね^^;この作品を読んでまた何か催しものがないかな~なんて近場の美術館の展示を見たりしちゃいました。
面白かったですよねー!
苗坊さんも美術館&博物館めぐりが大好きなんですね!私も同じで歴史とか蘊蓄はなかなか頭に入りません^^;
そうそう!私もこの作品読んだ後は、どこかの展覧会に行きたくなりました~。
そうですか、予想通りでしたか。
僕は「えーっ!」という驚きで一杯でした 爆笑
お~そうでしたか!
でも、驚きの真相も嬉しくって楽しいですよねー。