中山さんだけが初読み作家さん。・・・たぶん。もしかするとアンソロジー集で読んでるかもしれませんが、ちょっと記憶にないので;;;
5名の作家さん、それぞれの個性が現れている「幸せ」な物語。いや~バラエティに富んでましたねー。中には、「幸せ」というテーマからは想像できないような作品もありました。後味悪すぎだよ!と突っ込みたくなった。ま、誰といわなくても分かるとは思いますけど(笑)でも、いろんな「幸せ」が読めて面白かった。
・Weather(伊坂幸太郎)
ヤラレター!友人の結婚式でのお話なんだけど、ミステリー調でドキドキしました。あれこれ予想してたのに、まさかまさかの真相。うわ、そうきたかーっ!と思った時には、思わず涙がポロリ。不穏な空気が流れていたのに、くるりとひっくり返されて、一瞬で優しい空気に変わってしまいました。お見事!としか言いようがない。さすが伊坂さんでした。
この作品が一番、好き。
・天使(山本幸久)
77歳の女掏摸師が主人公。仕事先?で出会った姉弟との交流。自分の幼い頃を見ているようで、手を差し伸べずにはいられなかったんでしょうね。スカッとする結末かと思いきや、切ないラストにちょっと哀しくなりました。読んでるほうとしては堪らない気持ちになったんですが、彼女にとしては二人の子供をこの生活から脱出させる事が出来て「幸せ」だったのかなと、そう思いたい。どうか、姉弟が幸せな人生を歩んでいけますように、そう願わずにはいられない・・・。
・ふりだしにすすむ(中山智幸)
SFかなと思いきや、結局のところ、違ったって事ですよね。・・・あれ、私の解釈が間違ってるのかな。違ってたら、初読み作家さんなので慣れなかったということでご勘弁を(笑)最初は面白かったんだけど、ラストのラストが平凡すぎるような、肩透かしをくらったような気分になってしまった。いや、これはこれで良かったとは思うんですけどね。けど・・・うーん、ちょっとスッキリしないようなそんな気持ち。
・ハッピーエンドの掟(真梨幸子)
うわ、うわ、うわぁ;;;まったくもって、後味の悪い作品でした。たしかに、これでもテーマは「幸せ」だよなぁ。凄いわ。この著者の作品は以前、読んだ事があって、めちゃめちゃ気持ち悪かったんですよね。あの印象が強くって、なかなか他著作に手が出せないでいるところなんですけれども。ということで、このアンソロジー集に入ってるのを知った時に「あれ、あんな作品(失礼;;;)だけじゃないんだなぁ」と思ったんですが、この短編も”あんな作品”でした(笑)いやぁ、このテーマでこんな短編が書けるってのが凄い。唸らされました。またこれが、面白かったんだよねー。こういうのも好きなんだよねー。ということで、めっちゃ後味が悪いんだけど、すごく印象に残る作品で楽しめたのでした。
・幸せな死神(小路幸也)
優しい物語でした。そして、優しいけれど、最後は切ない物語でした。ほっこりなりつつ、思わず涙腺が緩んでしまう。胸をぎゅーっと掴まれたような心地になりました。哀しい最期ですが、死神はきっと幸せだったんだろうと思います。あとがきにも書いてありましたが、「死神」というと、つい伊坂さんを連想してしまうんですが、そこも分かってて敢えて書かれたんだろう小路さんに拍手。この死神さんもすごく良かったです。
5つの「幸せ」な物語。読む前に想像したように、ほっこりなれるものばかりではなかったけれど(笑)、とーっても楽しめました。
(2012.04.16読了)
ラベル:著者(アンソロジー) 読書
ホント、「幸せ」とはかけ離れたものも多かったですよね^^;最初の伊坂さんの作品がとっても幸せを感じたのでなおさら。まあ、面白かったので良いのですが。
小路さんの安定感もラストに良いですね^^
私も楽しめました。
たしかにテーマは「幸せ」なんだけどさぁ…という作品もありましたねー^^;
そうそう!伊坂作品は本当に「幸せ」な物語でした。そして、ラストの小路作品も良かったですよね。ちょっと切なかったけれど。
とっても楽しめた1冊でした。
面白い企画だったので、また違う名前の漢字の人を揃えてやって欲しいですね^^
伊坂さんのは読後感がとっても良かったですよね~!思わずホロリとさせられました。
逆に真梨さんのは後味の悪さで印象に残った作品でしたねぇ^^;面白かったんですけどね…。
違う名前での企画!それは、是非、やってもらいたいです!