あぁ、良い作品だなぁとほっこり。小路作品らしく、人との出逢いや繋がりが優しく包んでくれるような、そんな作品でした。
元医院を改築したシェアハウス。ここで暮らすことになった男女6人の物語。
主人公はシェアハウスが医院だった頃にお世話になっていた佳人。高校を卒業したものの、やりたいことや夢は特になく、女で一つで育ててくれた母に代わって家の家事や弟達の世話を一手に引き受ける。そんな佳人が始めた共同生活で・・・。
佳人ってホントいい子だよな~。こんな男の子とだったら、私もシェアハウスで一緒に暮らしてみたいもんだ。おまけに料理が上手っていうのがポイント高いよねー!一緒に住める人たちや、昼食を共にする事になったタカ先生がホント羨ましいよ。と、なんだかストーリーとは関係ないようなところに気を取られつつ読んだ(笑)
シェアハウスに集まってきた人々は、それぞれに抱えているものがある。一緒に暮らしていると、その抱えているものが見えてきて、スルーしたくでも出来なくこともあるんですよね。そんな時、どこまで踏み込んでいいのか。どう関わっていけばいいのか。その距離感が難しい。タイミングを誤まらないように、慎重に・・・。そこはやっぱり年の功といいましょうか、職業柄といいましょうか、タカ先生が抜群の活躍をみせてくれました。佳人もいいけど、タカ先生もいいなぁ~とか思ったり。←おい。
私は人と関わるってのが実のところ、ちょっと苦手でして。なので、こういう共同生活って実際は絶対にやろうとは思わないだろうなぁと思うんだけどね。でも、こういう風に人と関わっていけるといいなぁ、こういう優しさや温かさっていいなぁ、とちょっと思えました。
最後はね、小路作品らしく、ご都合主義すぎないかい?と思わせる部分もありますが、そういうタイミングの良さってのもあるもんだよね、と何か見えない力も感じたりして。なんだか、みょーな説得力がありました。・・・つまるところ、ご都合主義OK!とすんなり思わせる何かが働いたっていうことです、はい(笑)
ひとつだけ残念だったのが、今日子さんについてがあまり語られなかったことかな。彼女にもスポットを当てて欲しかったなぁと思っちゃいました。まぁ、6人みんなが問題を抱えているって方が不自然だといえば不自然なのかもしれないけどね・・・。
じんわり沁みて、思わずホロリと泣ける。優しさや温かさ、人が繋がっていくという不思議さを感じられる素敵なお話でした。
(2012.04.07読了)
2012年04月19日
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荻窪シェアハウス小助川 小路幸也
Excerpt: 荻窪 シェアハウス小助川著者:小路 幸也新潮社(2012-02-22)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る みんなで暮らせば、なんでもできるそう思える瞬間が、確かにあった――。やりたいことも..
Weblog: 苗坊の徒然日記
Tracked: 2012-04-20 20:41
本当に佳人は良い子ですよね。天然記念ものですよ^^
下宿している人たちも良い人で先生もいい人で。
小路さんの作品だなと思います。
私も人とはなるべく関わりたくない人なのですが、こんな人達だったら住んでもいいかなと思います。
天然もの(笑)でも、ホントに佳人って良い子でしたね~。管理人の先生やシェアハウスの住人たちもみんないい人で、読んでて気持ちが優しくなれました。
こんな人たちだったら、一緒に住んでみたいなと思えましたね!