2012年02月21日

ウィンター・ホリデー(坂木司)

ワーキング・ホリデー」続編。

うん、面白かった!
まさか続編が出るとは思わなかったので、ほくほくしながら手に取った。大和と進父子の冬休みを中心に描かれた冬の物語。相変わらずの大和と進に、大笑いし、ちょっときゅーんとしたりもして、本当に楽しい読書が出来ました。前作同様、全体的に明るい感じで読後感も爽やかで、このシリーズはホントにいいですねー!

あの夏から数ヶ月。クリスマスにお正月にバレンタイン、そしてホワイトデーとイベント続きの冬がやってきた。そして、大和の元に進もやってきた!ということで、父子らしくなってきた!・・・のかと思いきや、まだまだ手探り状態の父子。二人のびみょーな遠慮しぃぶりに、読みながらヤキモキしたり、ツッコミを入れたり、微笑ましさにニッコリしたり。お互いがお互いの周囲の人に嫉妬してしまう場面では、なんかね、読んでるこっちが恥ずかしくなったよ~(笑)でも、ちゃんと誤解も解けて良かった。まぁ、大和のインフルエンザっていうおまけが付いたのは同情しちゃうけどさ。

そうやって、歩みは遅いかもしれないけれど、二人はお互いに父子としての絆を少しずつ、少しずつ、強いものにしていってるんだな~と思えて、読みながら本当に嬉しかった。特に、雪のバレンタインデーにコンビニで足止めをくらっている進を大和が迎えに行く場面があって、あれがすっごく良かった!頭突きでぐりぐり~した後の会話を読みながら、うっかり涙腺が緩んじゃったりもしました。ジーンとした。

それにしても、相変わらず進の家事能力の高さに脱帽。特に食事作り。我が家にも、朝御飯を作りに来てくれないかな~、職場に昼食を持ってきてくれないかな~と、大和がとーっても羨ましかった(笑)だって、本当に美味しそうだったんですもん。そうそう!そんな進を見る度に、大和が心の中で「古女房」とかね、絶妙な突っ込みを入れるんですが、その度に笑わせてもらいました。

父子だけではなく、母親である由希子も登場。なんだか、良い雰囲気になるのかしら~と思いきや、そんなに甘くはないよね。うん、たしかにね。そうだよね。大和のように単純にはいかないもんだよ。・・・びみょーに失礼発言のような気もするけど(笑)でも、いつか素敵な家族が生まれるといいな、そう思えました。


父子の物語としてばかりでなく、仕事とは、責任とは、など諸々、色んなことを考えさせられる物語でもありました。ちょっとチクリときた場面もあって、自分を省みてしまったりと、ほんわか楽しいだけではない、そのバランスが絶妙。読み終わるのが惜しかった。


どうも、続編が出そうな雰囲気でしたねー。ということで、続編を楽しみに待ちたいと思います。早く出ないかなぁ・・・。



(2012.02.19読了)




ウィンター・ホリデー
文藝春秋
坂木 司

Amazonアソシエイト by ウィンター・ホリデー の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

ラベル:読書 著者(さ)
posted by すずな at 05:44| Comment(4) | TrackBack(4) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
この父子のお話、可愛いですよね~^^キュンキュンしちゃいます。
進の家事能力はだんだん上がっていきますよね。うちにも来てほしい。←
由希子も登場しましたね~。やっぱり長い歳月だから、なかなかうまくは行きませんよね。でも、時間がかかってもいつか3人で暮らせる日が来たら良いなと思います。
Posted by 苗坊 at 2012年02月21日 14:56
>苗坊さん
このお話、いいですよねー!キュンキュンっていうのがよーく分かります☆
そうそう!進には是非、ご飯作りに来てほしいですよねー(笑)
いつか3人で暮らせる日がくればいいなぁって思いますよね。そういう意味でも続編が楽しみですね~♪
Posted by すずな at 2012年02月22日 12:30
私も進君を大和がコンビニに迎えに行くシーン大好きでした。ひとつひとつのエピソードに心が温まりました。由希子さんの複雑な心情も理解出来ますよね。でも、二人が嫌いで別れた訳じゃなく、お互いに誤解してたってわかっただけでも、ちょっぴり距離は縮まっているのかな、と思いました。続編まだまだ書いて欲しいです!
Posted by べる at 2012年04月14日 00:00
>べるさん
コンビニのシーンは良かったですよねー!そして、他のエピソードも心がほっこりとなるようなことばかりでしたね。
由希子さんのこととか、続編を書いて欲しいですよね~!いつか書いてくれないかなぁ…。
Posted by すずな at 2012年04月14日 12:43
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック

ウィンター・ホリデー 坂木司
Excerpt: ウィンター・ホリデー著者:坂木 司文藝春秋(2012-01)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る オススメ! 届けたい。間に合わないものなんてないから。一人から二人、そして…。父子の絆の ..
Weblog: 苗坊の徒然日記
Tracked: 2012-02-21 14:53

坂木司/「ウィンター・ホリデー」/文藝春秋刊
Excerpt: 坂木司さんの「ウィンター・ホリデー」。 届けたい。間に合わないものなんてないから。一人から二人、そして…。父子の絆の先にある、 家族の物語。父親は元ヤン・元ホスト・現宅配便ドライバー、息子は..
Weblog: ミステリ読書録
Tracked: 2012-04-13 23:54

ウィンター・ホリデー 坂木 司
Excerpt: ウィンター・ホリデー ワーキングホリデーの続編。 今回は冬休みを中にして 11月から3月くらいの期間のお話。 クリスマス、お正月、バレンタインデーと、 イベントがたくさんある冬のこの季節。 ..
Weblog: 花ごよみ
Tracked: 2013-02-21 22:12

「ウィンター・ホリデー」/坂木 守
Excerpt: 「ウィンター・ホリデー」/坂木 守(文藝春秋) もちろん、「ワーキング・ホリデー」の続編である。ハニービー・エクスプレス、通称「ハチさん便」で働く大和(ヤマト)、元ヤンキーで元ホスト、そして今宅配..
Weblog: 京の昼寝~♪
Tracked: 2013-04-10 23:35