新聞広告に惹かれて手に取った本。
真夜中だけ開いているパン屋さんを舞台に繰り広げられる連作短編集。
実はもっと人情味溢れる号泣必須!な作品だと思ってたんですが、想像してたよりは心を揺さぶられず、正直「あれ?」って感じでして・・・。ちょっと肩透かし感を感じないでもなーい。
真夜中だけ開いているパン屋さんに飛び込んでくるのは、母親から見捨てられた女子高生、万引きの小学生、訳ありのオカマに、引篭もりな脚本家などなど、本当に多種多様な人々。おまけにオーナーも訳あり風だし、イケメンパン職人にも秘密がありそうで・・・。そんな彼らが出会い、お互いに交流し、いつの間にか協力し合って様々な事柄に当たっていく。
自分の力だけではままならないほろ苦さや切なさを感じつつ、それでも人の温かさや優しさを感じられてちょっとホッとできる、そんな心温まるお話でした。
ただ!色々と謎なまま置き去りにされてることもあって、気になる部分もあるんですよねー。一番の謎は、何故、真夜中だけオープンさせてるのかということ。明確な説明はなかったように思います。もちろん、真夜中にオープンしてるからこそ、舞い込んできた事件があって、この作品が成り立っているってのは分かるんだけど。でも、何故「真夜中」なのか。とっても気になるんですけど。そして、女子高生・希実の母親はどうなったのか。どうしてるのか。暮林の奥さんは、どうしてありえる筈がないのに希実を妹として迎えようとしたのか。気にしちゃいけないのかもしれませんが、すごーく気になります。お陰でなんだかスッキリしない。もやもやが残る読書となってしまいました。むーん。
そんな意味も含めて、続編希望です。
それにしても、当然のことながらこれを読むとパンが食べたくなってしまいます。キケンです。実際、その後シッカリ食べちゃったんですよねー(笑)
(2011.08.27読了)
2011年09月04日
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新聞広告に惹かれたんですけどねー。期待が大きすぎたからか私的にはそこまで心を揺さぶられなかったんですよね…;;;とりあえず、図書館あたりでいかがでしょう^^;
そうそう!パンの焼ける匂いっていいですよねー!すっごい食べたくなっちゃいました^^;
そういえばいろいろ気になる点がありましたね。真夜中にあいている謎はそういえば明らかになってなかったです。でも、困っている人みんなに手を差し伸べる暮林夫妻なので、そういう人はどっちかっていうと真夜中に訪れるだろうからあけてるのかなぁとか勝手に妄想しました^^;
大沼さんのかかれる作品はいつも家族の形が特殊なので、そっちの方が気になりました。
せめて真夜中に開いてる理由だけでも明らかにしてほしかったです;;;でも、たしかに苗坊さんが書かれているような理由かもしれませんねー。そう思うとモヤモヤが解消されていいかも☆
大沼作品はこれが初読みだったんです。なので、他作品も読んでみようと思います。