・・・終わった。
最後のページを読みながら緩む涙腺。あ~終わっちゃったなぁ・・・と寂しさと嬉しさとがないまぜになった涙が溢れてきて、もうね、止められませんでした。
この広げに広げきった風呂敷を、どうやって1巻の最後に繋げるのか。果たして繋げられるのか。巻を追う毎に不安がいや増していましたが、どうしてどうして。見事に畳んでくれちゃいましたねー。いや、お見事!上巻のあとがきを読んで「そうだよ!デビュー作だったよ!」と改めて気付かされたくらいだったんですが、本当に著者の力量に感服です。・・・って、なんだかびみょーに上から目線のような気もしないでもないですが(笑)
この作品をちゃんと終わらせてくれた事にまずは感謝。そして、見事に色んな伏線を回収してくれたことに感嘆。すごいですねー!
あ、ネタバレしてます!
未読の方はご注意を!!
上巻は秀麗、下巻は劉輝の巻でした。特に、ここのところ影の薄かった(笑)劉輝が、最後の最後にキッチリ仕事してくれたのが良かった~。ホントによく頑張った。おねーちゃんは誉めてあげるよ(爆)ただ、劉輝が頑張った分、びみょーに出番がイマイチだったのが私のイチオシ静蘭だったってのがちょっと心残りというかなんというか・・・(笑)まぁ、この物語は秀麗と劉輝の物語だったってことでしょうかね。最後に二人が頑張ったお陰で、あの1巻のラストに繋がったんだから良しってことで。
・・・って、今だに何やら興奮していて上手い文章が作れませんが;;;
災害に立ち向かう国の中枢にいる人々の言動を読みながら、現実を振り返ると色々と思うところはありますが。まぁ、ファンタジーと現実は違うというのは重々承知の上であえて言わせてもらえれば、どうか彼らの信念だけでも持っていて欲しいなぁ・・・と思わずにはいられません。実行力が伴わなければ、気持ちだけでは何も出来ないということも分かってますが、気持ちが強ければなんとかなる部分も多少はあるんじゃないのかな、と思うし・・・ね。
と、なんだか話が違う方向に行きそうなので方向修正。
ラストでも泣けたんですが、実は一番グッと来たのは瑠花と羽羽の最期。読みながら涙が・・・。まさか、この二人に泣かされるとは思ってなかったので驚きだったんだけどねー。最初は、なんてやつ!と思っていた瑠花に最後の最後に泣かされることになるは・・・。ホント切なかったです。
え~もちろん、ご都合主義な部分もありました。でも、それはファンタジーですからね!ファンタジーはやっぱりこうでなくっちゃ!と思う気持ちの方が大きいので、私的には大満足の幕引きでした。ただ、それでもちょっと引っかかったのは、秀麗って子供は作れないんじゃ・・・?って部分かな。いや、作れてもいいんですよ。いいんだけど、作れるようになった説明をちょっとでもして欲しかったなーと思ってしまいました。細かい部分ですけど。
そういえば、最終巻なのに名前だけで登場しなかった陸清雅!彼もお気に入りの一人だったので、私としてはちょっと残念だった。チラッとでも登場させて欲しかったよー;;;それから、黎深は無事に叔父として秀麗と対面できたのかとか、他にもいろいろとその後が気になる人々がいます。いつか、スピンアウトとして読めればいいなぁ・・・と思ってしまいますが、どうなんでしょう。描いて欲しいなぁ。
・・・と、あれこれと思いは尽きませんが。最後に。
素敵な物語でした。読んでる間中、とっても楽しかった。大震災に遭いながら、このお話を届けてくれた著者に深く感謝したい。ありがとうございました。
(2011.08.09読了)
2011年08月16日
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Weblog: 香桑の読書室
Tracked: 2011-08-16 14:47
惜しくて、何度も何度も読み返してしまいました。
王が王になるあの瞬間、情景を思い描いてわくわくして、このときのためにこれまでのうだうだ(それにしても長すぎたけど)があったのかと、だいぶ許せました。笑
ご都合主義でも、大団円のためなら大歓迎です!
終わっちゃったねぇ・・・。実はこんなに早く完結するとは思ってなかったのでビックリでした^^;
私も何度も読み返しては、浸ってしまいました。たしかに、劉輝のいままでのウダウダっぷりはこの為の伏線だったのか!?って感じだったね。うん、それならあのウダウダっぷりも許せる・・・かな(笑)
こうでなくっちゃ!の大団円だったね。私もこの為ならご都合主義でも何でもOKなので、大満足で読了できました♪