深く、深く考えさせられるお話でした。そして、イタイお話でもありました。
語り手は中学生14歳の少年で、彼が過ごしたとある一日を描いたものなので、文章自体はそう難しいものではない。それに反比例するように、内容は深く重いものでした。そして、胸にグサリと突き刺さり「自分はどうだ?」と考えさせられる。本当にイタイ部分を突かれる作品でしたね~。
学校でも会社でも、そして地域社会でも、生きているかぎり人は「集団」から離れられないものです。その「集団」の中で、自分を持ちつづけるということが、いかに難しい事なのか。それは誰でも知っていることで、だれもが経験している事でもあるんですけど。でも、そんな集団の中であっても、”ここだけは”という部分を持ちつづけていられるか。自分で自分を誤魔化すことなく、その部分をしっかりと守れるのか。読んでる間中、「自分はどうだ?」と問われ続けていたような気がします。
ということで、冒頭で”少年の青春小説かしら~”と思った私は、読んでいくうちに思いっきり頭をガツーンと殴られ、胸をぎゅーっと掴まれ、迫られつづけてしまったのでした。平易な言葉でかかれている分、それがストレートに突き刺さるんですよね~。いや~消耗しました。読了後はグッタリでした。
集団の中にいて「NO」と言える強さ、そして、集団から離れた誰かに「いつでも帰っておいで。君の席はここにあるよ。」と言える強さ。それらを常に持っている自分でいたいものだと、そんなことを思ったのでした。容易ではないけれど・・・。
すっごい疲れたけれど(笑)、この小説を読めて良かった。そう思える作品でした。
(2011.07.06読了)
2011年07月16日
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
この記事へのトラックバック