タイトルからして凄いんですけど(笑)でも、桜庭さんだな~と納得のタイトルですね。
「本の街・神保町を舞台にした極上サスペンス」なんだそう。サスペンスだと言われればそうなんだけど、なんて言うんでしょう、私が持つ「サスペンス」という言葉のイメージとはちょっと違うような・・・と思える小説でした。「サスペンス」と言われると2時間枠TVドラマを連想しちゃうんですね~。まぁ、TVドラマの方はほとんど見ないので、私の勝手なイメージだと言われればそれまでなんですけど。2時間で片付けちゃえないお話っていうんでしょうか・・・。う~~~ん、上手くいえないけれど。
相変わらず、どよ~んどろどろと暗くねばねばねっとりとした作品でした。・・・って、どんなんじゃ!って感じですが(笑)まさに「桜庭作品!」と思える1冊。気味悪くって、重くって、かなりズシンとくるのに、先が気になって読むのを止められない。なんなんでしょうね、この魅力って。夢中になって貪り読みました。一気読み。
人間の裏側をまざまざと見せられ、すっごく嫌ぁ~~な気分にもなるし、ゾットする。でも、それと同じくらい、哀しかったり、痛かったり、切なかったりもする。
・・・と、夢中になって読んだものの、いざ感想を書こうとすると上手く書けない。心の中を覗いても、混沌としてるばかりで言葉が見つからない。何がどう、と言えない。いつも桜庭作品の感想では同じことを書いてるような気がするんだけど、桜庭作品ってホント感想が上手く書けないんだよなぁ・・・。難しいです。
面白かったんだけど、すごく惹かれたんだけど、ねぇ・・・。
登場人物たちが交互に登場して、それぞれの視点で、吉野解と白井砂漠が語られる。時系列が行きつもどりつしながら物語が進んでいく。同じ事柄が視点を変えるとこうなるのか、という面白さも感じました。ただ、吉野の妻である由乃の視点が無かったのはちょっと残念だったかな。私的に、すごく興味深い人物でした。気になる人物でした。
最後の章は、事件から数年後、吉野の娘、夕の視点で描かれる。なんとも切なく痛い、そんな気持ちになるラストでした。
(2011.06.07読了)
2011年06月12日
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『ばらばら死体の夜』/桜庭一樹 △
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Tracked: 2011-11-25 22:56
濃厚な桜庭さん独特の世界観でしたね。
面白かったんですけど、どうもモヤモヤ感が残りました。
一つには沙漠も吉野も何一つ共感できなかったということですかね^^;沙漠は自業自得ですし、吉野は気持ち悪くてだめでした。
あ、そういえば由乃目線は何もなかったですね。私は吉野の行動に気づいているのでは?なんて思っていたのですけど、章がないってことは本当に全く気づいていなかったっていう事なんですかね^^;
沙漠と吉野は救いようがなかったですけど、佐藤の章は好きでした。1番人間味がある気がしました。
ホント、濃厚な桜庭さんの世界でした。面白かったんですけど、いざ感想を書こうとすると言葉が出てこなくって…^^;
由乃は気づいてなかったんでしょうか。どうなのかなーと気になって、そういう部分も含めて彼女視点のお話も読んでみたかったです。
たしかに、佐藤の章が一番人間味がありましたね。
とにかく、あのラストだけは納得が行きません。罪を犯した人物には、社会的でなくとも、誰かによって何らかの制裁を受けさせて欲しかったと思いました。
先が気になって夢中になって読んだんですが、ホント気分は最悪でしたよねぇ;;;
私も、もうちょっとミステリ色が強いのかなと思ってました。そして、死体になった人物っていうのも、最初は思いっきり勘違いしてましたー^^;
ラストは…私はあの姿を読んで切なくなったんですが、でも、やっぱり罪に対しての罰は受けさせたかったですよね。
この後、解はどうなっちゃうんでしょうねぇ(-_-)。
〈ひと殺し〉に対する罰は、加速した老いだけだとしたら、結構理不尽だなぁと思いました。
解の娘・夕は父が何をしたかは知らなくても、何かしらの罪を犯したのを、本能的に感じ取っているのかもしれない、だけどきっと娘は父をいたわるだろう…それがなんだか悲しかったです。
そうですね、解はどうなっちゃうんでしょうね…。人殺しの罰は、加速した老いだけでなく、”老いる”ことによって様々な罰が重なっていくのかなぁ…と、今フト思いましたが、どうなんでしょうね^^;
夕は本能で感じ取っているんでしょうが、私もやっぱり父をいたわるんだろうなぁと思います。それが、血のつながった父娘なんでしょうね…。