第25回メフィスト賞受賞作。
面白かった!個人的には、この著者の消防士が活躍する小説よりも面白かった。
無口で無骨な武本刑事、年下の上司である名家出身でおしゃべりな潮崎警部補の二人が追う密造拳銃ルート。辿り着いたのは・・・。
結構な分厚さの本なんですが、途中でダレたりせず最後まで一気読みペースで読了。拳銃の密売ルートを追ってたはずなのに、いつの間にか麻薬取締官も絡んできたりと、この著者の作品らしく、一つの事件だけでなく、他の事柄までも複雑に絡んできたりもするんですけど。でも、今回はその事柄がしっかり事件に絡んできてて、他著作で散漫に感じた部分がそこまで気にならなかった。
なんといっても、個性的な登場人物達が魅力的。主人公の武本を始め、おしゃべりな上司の潮崎や安住課長、そして、麻薬取締官の宮田、あ、樋口も実は結構好きでした(笑)安住課長は脇役ながら、渋さがヒカルっていうかね、こういう上司が欲しいよなーと思っちゃいましたね。
そうそう!潮崎が発する小説の登場人物達にもテンションが上がりました。合田刑事に緑子にリンカーン・ライム!知ってる名前が登場するたびに、「お。」「おぉぅ」「おぉーーーっ!」とだんだんと興奮してきちゃって(笑)ただ、さすがに全てに反応できる訳でなかったのが、ちょっと残念かなー。今野作品とか大沢作品のキャラ達も登場してたようなんだよね。こっちは未読なんですよね。そのうち読んでみたいなーとは思ってるんですが、結構な冊数が出てるようなので躊躇してるところです。
タイトルから多少の想像はしてましたが、「めでたし、めでたし」のラストじゃないのも個人的には良かったかな。・・・良かったっていうと、ちょっと語弊があるんだけど。でも、宮田の件はかなり意外でした。思わず「さーとーこぉぉぉ;;;」なんて声が漏れてしまったくらい(笑)
・・・あ。あんまり書くと思いっきりネタバレしそうなので、これくらいで;;;
このシリーズは続編が出てるみたいなので、早く読みたいなー。武本や潮崎に会いたい。・・・って、主人公コンビは変わらないんだよね?
(2011.04.16読了)
2011年04月18日
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お~これが初日明さんだったんですか!
私はこの作品の前に読んだ「鎮火報」の方が冗長さに辟易してたので、そんなに気にならなかったんですよねぇ^^;最初からずっと面白く読めました。
あ、続巻が文庫で最近、出たようですよ。これを貸してくれた同僚に「読んだよー」の報告をしたら、「次があるから」と笑顔でプレッシャーをかけられました(笑)