2011年01月23日

下町ロケット(池井戸潤)

面白かった~!熱い思いが胸に込み上げてきて、もうね、夢中で読んだ。

大田区の町工場が取得した最先端特許を巡って繰り広げられるドラマ。従業員200人の佃製作所が取得した特許。それをなんとか手中に収めたいと画策する大企業やメインバンクとの戦い。果たして佃製作所は生き残られるのか・・・。

前半は、佃製作所が持つ特許を巡っての攻防戦。後半はロケット開発を巡っての攻防戦や夢への挑戦というような構成で、一度に二つのお話を読んだような気分になりました。

それにしても、中小企業に対する大企業の姿勢やら、すぐさま掌を返すメインバンクの態度やらには、怒りを感じつつ哀しくもありました。特にメインバンクの露骨過ぎる態度にはね・・・。確かにね、このご時世ですから、メインバンクとしてはああいう態度に出ざるをえないってこともあるんでしょうが、担当者の態度がねぇ・・・。上からの命令には逆らえないのも分かるけど、対応の仕方が他にもあっただろうに、と思いましたね。あそこで、担当者の対応がもうすこし違っていたら、その後の佃製作所の対応も違っていただろうにねぇ・・・。そんなことを思いつつ、私の働く会社の担当銀行マンの姿が目の裏にちらついたりもしました。彼らも同じような態度を取るんだろうか・・・。どうするだろうか・・・とかね、ちょっと想像してみたりもしました。

後半のロケット開発の場面では、佃製作所の人々の熱い思いに何度も目頭が熱くなったり・・・。てか、涙腺決壊って感じかな(笑)

私も中小企業で働く一人なんですが、彼らのプライドが眩しく感じられました。会社の大小や仕事の内容は関係ない。自分がいるその場所で、自分がすべきことに全力で取り組む。それがプロというものだ。それを自分たちはやってきたんだ。そんな矜持を見せつけられて、ちょっと自分を省みてしまったり。手抜きしようと思えばいくらでも手抜きできる。でも、突き詰めようとすれば、いくらでもそう出来る。私も彼らの半分でいいから、自分の仕事に対してプライドを持って、真摯に取り組まなくちゃ、そんな気分にさせられました。

最後はまたしても涙腺決壊。ぐしぐしと涙を拭いながら読了しました。いや~~久々に、熱いドラマをみせられたなぁという感じです。

すっごく面白かった。私も明日からまた頑張ろう。





(2011.01.15読了)





下町ロケット
小学館
池井戸 潤

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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 07:38| Comment(6) | TrackBack(4) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
面白かったですよね~!思った通りの展開になって行くのだけど、それが読んでいてすごく気持ち良くて、読み終えた後はいい本読んだなぁって嬉しい気持ちで満たされました。自分も佃製作所の一員になった気分で一喜一憂・・・銀行の貸し渋りや、ライバル会社の姑息な訴訟なんかには腹が立ちましたが、それだけに彼らに一矢報いたシーンが痛快でした。ホント、自分も仕事頑張らなきゃって思える作品でしたね^^
Posted by べる at 2011年01月23日 08:32
>べるさん
ホントに気持ち良く読めて、すごく面白い作品でしたね~!のめり込んで読みました。
私もライバル会社や銀行の対応にはムカムカしましたが、一矢報いたシーンでは喝采を送りました。
Posted by すずな at 2011年01月24日 12:53
ほんとうにおもしろい作品でした。
小さな会社でも、夢とプライドを持って仕事をしている佃製作所の人たちが素敵でしたね。
Posted by 花 at 2011年01月25日 22:36
>花さん
面白かったですね~!
大きな会社がいいってことはなくって、小さくても夢やプライドを持って仕事をするのことが大事だってことを佃製作所の人たちに教えられたような気がします。素敵な人たちでしたね。
Posted by すずな at 2011年01月26日 12:52
すずなさん こんばんは
大手や銀行の対応には腹が立ちましたが、
腹が立つほどリアリティがあったということで 笑
夢のある物語、じっくりと堪能させていただきました!
Posted by yori at 2012年02月10日 22:32
>yoriさん
たしかに、腹が立つほどリアリティがあった作品でしたねぇ^^;
まさに堪能という言葉がぴったりと読書となりました。
Posted by すずな at 2012年02月13日 05:45
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