2011年01月16日

at Home(本田孝好)

ちょっと変わった「家族」を描いた短編・・・いや、中編集かな。

4作品のうち「日曜日のヤドカリ」だけは、雑誌掲載時に既読

血の繋がりのない人々が、様々な理由で家族として暮らしている。そんな人々の、色んな「家族」の形態を描いた作品ばかり。”血の繋がり”だけが「家族」じゃないんだな~と思える。「家族」だと思う気持ちが一番、大事なんだろう。そんな4つのお話でした。

表題作でもある最初の「at Home」が一番良かった!「家族」として集まった人々の過去や、その繋がりにも驚きつつ、楽しんで読めました。ラストにニヤリとさせられて、「良かったな~~~」と思えて、本当にすっごく嬉しくなった。

ただ、最初の作品が良すぎたからか、その後に続く3編がちょっと物足りなっていうかインパクトに欠けたかな~と思いました。既読だった「日曜日のヤドカリ」は、敬語で話す父娘の会話をやっぱり面白く感じたし、最後はほっこり出来たんだけど。でも、なんだか物足りないって感じでして・・・。作品の並びが惜しかったのかなぁ。表題作が最後だったら、「あ~~良いお話を読めたなぁ」としみじみ浸れたような気がします。

そんな訳で、どの作品もそれぞれハッピーエンドで良かったんだけど、ちょっとだけ残念な読書となってしまいました。作品の順番って大事なんだなーと実感しました。



・at Home
・日曜日のヤドカリ
・リバイバル
・共犯者たち


(2010.01.03読了)



at Home
角川書店(角川グループパブリッシング)
本多 孝好

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ラベル:著者(は) 読書
posted by すずな at 08:04| Comment(6) | TrackBack(3) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私はこれ、すごく好きでした。それぞれちょっと歪な家族だけど、ちゃんと心で繋がってるなって思えるところが良かったです。全体的に伊坂さんっぽい雰囲気だなぁと思って読んでいたのですが、先日伊坂さんのエッセイを読んでいたら昔から本多さんの作品がすごく好きだったようで、伊坂さんが本多さんの影響を受けていた(つまり逆だった)ことがわかり、認識を改めさせられました。
Posted by べる at 2011年01月17日 07:42
>べるさん
ちょっと変わった家族だけど、ちゃんと心で繋がってるところが良かったですよね。ジーンとしました。
伊坂さんは本多さんの影響を受けられたんですねぇ。そう聞いたら、本多作品をもっと読みたくなりました!)ゲンキンな私(笑)伊坂さんのエッセイは図書館の予約待ちなんですよー。読むのが楽しみになってきました。
Posted by すずな at 2011年01月18日 12:42
すずなさん こんばんは
本多さんの欠点は、印象が薄いこと、とよく言われます。
しかし私はそれが欠点とは思えません。
印象が薄いのも一つの作風と捉えるべきだと覆います。
Posted by yori at 2011年08月02日 22:43
>yoriさん
なるほど、そうですね。それも作風のひとつと捉えれるという考えには頷けます。
それが本多さんの魅力と考えて…他著書に挑戦してみます!
Posted by すずな at 2011年08月03日 12:58
すずなさん こんばんは
もしかしたらTBかぶってるかも・・・
ごめんなさい、被っていたら一本は削除して下さい!
Posted by yori at 2011年08月03日 23:46
>yoriさん
スパム扱いになってました~^^;
削除しておいたので大丈夫です!わざわざコメントありがとうございます。
Posted by すずな at 2011年08月04日 12:31
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