築ウン十年のぼろアパート・木暮荘を舞台にした連作短編集。
実はもっとこう、胸にじわじわと沁みる良いお話的なものを想像してたんですよね;;;それが、なんだか違ってて・・・。最初は「あれ?」と戸惑ったんですが、まぁ、これはこれで楽しめました。
えーーとぉ・・・テーマは「セックス」?と聞きたくなるくらい、どのお話も割合「セックス、セックス」と連呼されてるような(笑)でも、それが本当にアッケラカーンと描いてあるので、なんていうか、じめじめじとじと感みたいなものは全く感じない。凄いよ、しをんさん!って感じでしょうか。
最初はバラバラだった小暮荘の住人達が、章を追うごとにひとつの家族というか、仲間みたいになっていくのが良かった。面白かった。そして、小暮荘の住人だけではなく、その周辺の人たちが主人公になってるお話もあって、それも楽しめました。「小暮荘」はチラッとしか出てこないお話もあったんだけど、あまり気にならず。それぞれの魅力があって、面白かったし、楽しめました。まぁ、どの人もかなり個性的だったってのもあるんだろうけどねー(笑)
最後が並木のお話ってのも良かったですねぇ。ま、彼が主人公っていうのは、私的には意外な再登場だったんだけどね~(笑)そして、その中で描かれたのが最初に登場した繭が小暮荘から引っ越していっちゃう場面。なんというかね、そういう展開も上手いなぁと思っちゃいました。連作短編集でありながら、ひとつの長編小説を読んだような気持ちになりました。
そんなにジーンと沁みるような作品ではなかったけれど、それなりに心に沁みる作品でした。人は、どうしたって誰かと繋がってるんだよなと、そんなことを思ったりもしちゃったり・・・。
・シンプリーヘブン
・心身
・柱の実り
・黒い飲み物
・穴
・ピース
・嘘の味
(2010.12.09読了)
2010年12月19日
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作品の内容は想像していたものとわりと異なっていたので驚きました。下ネタばかりで驚きました。
しをんさんらしいタッチで軽く書かれているといいますか^^;
でも面白かったです。
同居人たちは特別仲が良いわけではないけど知り合いで、人は繋がっているんだなって言う事を思わせてくれる作品でした。
最後が並木の章だったのも良かったです。
私も想像してたのと内容が違ってて最初はビックリでした。おまけに下ネタ系ばかりで^^;まぁ、軽いタッチで書かれてたのでホッとしましたよね~。
そうそう。「人は繋がっている」ということを改めて感じる作品でしたね。
並木は最初だけかと思いきや最後の章でも登場してくれて嬉しかったです♪
ね。
確かに、あちこちで下ネタでしたが、あんまり気にならなかったです…あはは。
登場人物たちの内心の突っ込みがポンポンとテンポよく進んで、それに乗ってニヤニヤしてました。
どの章の語り手もいろいろ切実な思いを持ってる。その切なさとのギャップもよかったです。
あちこちで下ネタでしたねー(笑)でも、開けっぴろげ?に描いてあるのがしをんさんらしかったです。
と、そんな軽めの描写なのに、登場人物達の抱えているものはそれぞれ重くって切なくって・・・。うはははーと笑い飛ばすだけのお話じゃないところも魅力でしたね。