ちょっと前に、このシリーズ2作目「すれちがう背中を」を読んでしまって、早く1作目を読みたい!と思いつつ、なかなか辿り着けなかったんですよね;;;ようやくその1作目を読むことが出来ました。
ということで、勢い込んで読んだこの作品。刑務所で知り合った前科者の二人が、出所後、下町で新生活を始めた。ご近所の目を気にし、警官の姿にはドキリとする日々。そんな二人が少しずつ新たな人生をスタートさせて・・・。
2作目を読んだ時には、そこまでビクビクしなくってもいいんじゃないかなぁ・・・なんてことを読んでたんですが、この1作目ではそういうことは思えなかった。”出所後”というのが、2作目よりも生々しかったからかなぁ・・・。
周囲に「前科者」というのがいつかバレるんじゃないかとビクビクしながらも、「やりなおそう」と頑張る二人。特に芭子は、出来るだけ人と関わらないように・・・と思いながら暮らしていたのが、徐々にその考えが変わっていく。そして、自分が犯罪を犯していた時の家族への気持ちを改めて自覚し、逮捕後の家族の対応を受け入れていく様子、綾香の現状を知り、彼女を気遣ったり、自分の甘さに気付いていく様子などは、ちょっと胸に迫るものがありました。
そして、この1作目を読んでる間中、実際に自分の目の前にいわゆる「前科者」という人がいたとしたら・・・と、そんなことを考えてました。知らないうちに交流があって、すでに友人とか知人になっていたとしたら、その人柄等を知った後だったら、「そうなんだ・・・」ってだけでスンナリ受け入れるっていうかね、拘らないとは思うんだけど。既に罪も償ってる訳だし。でも、交流がある前に知ってしまったら・・・その罪にもよるとは思うんだけど、やっぱりそれなりの関係を築くのには躊躇しちゃうんだろうなぁ、と思ったり。
二人の新しい人生を応援しつつ、色々と考えさせられるお話でした。
・同じ釜の飯
・ここで会ったが
・唇さむし
・すてる神あれば
(2010.10.16読了)
2010年10月25日
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