2010年10月31日

島津家の戦争(米窪明美)

書かなきゃいけない感想が山のように溜まっている;;;頑張って消化しなくっちゃ!そんな訳で、どれもこれも駆け足感想気味になっちゃいそうです。。。

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「・・・小説じゃなかったのか;;;」
というのが、最初の感想でした。都城島津家(現在の宮崎県都城市)を題材にした小説だと思って手に取った本書。読み始めてからドキュメントだということに気付いたオマヌケな私;;;ドキュメントはちょっと苦手なんだよなぁ・・・失敗したなぁ・・・でも、せっかくだから最後まで読まなくちゃなぁ・・・と、そんな思いで読みました。

・・・ら!なんだか、思ってたよりも楽しめました。旧薩摩藩で生活している私にとっては、出てくる地名や名前がとっても馴染みのあるものでして。おまけに、地名から地図というか位置関係をきちんと思い浮かべることが出来るんですよね。鹿児島市内から桜島に船で渡って・・・という文章を読みながら、どーんと存在感のある桜島に向かって船をこいでる様子が容易に想像できる。例えば、京都や東京、はたまた江戸なんかを舞台にした小説だと、地名はわかるけど、それらの位置関係とかが分からないので、頭の中で地図を描けなかったりするんですが、それが全く無い。無いばかりか、海や空の色とか風の匂いとか、そんなものまで感じる事が出来るような、そんな感覚を味わう事が出来ました。地元を舞台に描いてある文章っていうのは、こういう楽しみがあるんだなぁ~と、改めて感じました。

また、描かれている時代がちょうど幕末から昭和の始めにかけてということで、薩摩藩出身の人々が大変活躍した時代、日本の歴史的にも面白いと言われる激動の時代が描かれているのも魅力の一つ。あの時代を、薩摩藩の人々は、島津宗家の分家である都城島津家の人々はどう生きてきたのか。興味深く、面白く、ちょっとワクワクしながら読みました。

これを小説という形で読みたかったなぁ・・・という思いは今でもありますが(笑)、でも、小説じゃなくても楽しめた1冊でした。鹿児島県や都城市と馴染みのある人にとっては、特に一読の価値はあるんじゃないかなぁ・・・と思えました。



(2010.10.17読了)





島津家の戦争
集英社インターナショナル
米窪 明美

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posted by すずな at 07:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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