うわー良かった。
亡くなった祖母から遺言として託されたのは古びた鍵ひとつと祖母の故郷にある西洋館が建つ土地。そして、その土地は祖母と幼馴染2人の3人の名義になっていた。祖母がそれぞれの孫娘達に託したものとは・・・。
現代と祖母が少女時代だった戦後すぐの頃のお話が交互に語られる。現在と過去を行ったり来たりしながら、どうして、西洋館の建つ土地が祖母たちのものになったのか、どうして祖母たちはそれを誰にも言わずひた隠しにしていたのか、そして、どうして子供ではなく孫達に遺したのか・・・。祖母たちの思い、すなわち孫達が探る秘密が少しずつ明かされていく。
「そんなに上手くいくわけないじゃん」「ご都合主義的すぎる」そんな言葉がチラリと浮ばない訳ではない。でも、そんな思いは浮んでもすぐに消えてしまう。戦後、これに似たような話は沢山とはいかないまでも、あったんじゃないかな、と思った。思えた。その頃を生きていない私にはよく分からないけれど。
「戦争は嫌い」その気持ちでみながひとつになる。祖母たちの想いや願いが詰まった西洋館。ラストの真相にはウッカリ涙腺が緩んでしまった。自分たちでは、どうすることも出来なかった。でも・・・。そして、西洋館は封印され、祖母達の想いは孫達にに託された。祖母達の想いが本当に切なかった。
じわじわと心に沁みるお話。悲しいお話ではあるけれど、優しい気持ちにもなれました。うん、良かった。
(2010.09.27読了)
2010年10月02日
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素敵なお話でしたね。
どうしてもご都合主義というのが頭を掠めますが、それでも本当にいいお話。
心がほっこりします。
ちょっと切ない話でしたけど、良かったです。
ご都合主義すぎるかなーと思いつつ、つい涙腺が緩んでしまいました。ちょっと切ないけど、ホントにほっこりなれる素敵なお話でしたね。