桜庭ワールド全開。そう思える、絵本のような作品。
前作「製鉄天使」がちょっとねー;;;だったので、読み応えのある長編を期待していたんですが・・・。長編ではなく、連作短編集のような感じ。野田仁美さんのイラストとのコラボレーションということもあり、絵本のような仕上がりになってました。そういう意味ではちょっと期待ハズレ。がっつり長編を読みたかったなぁ。。。
でも、作品自体は、まさに桜庭ワールド!でして、そういう意味では堪能させてもらいました。イラストも合わせて、なんとも耽美的。なんだけど、それだけで終わらないのが桜庭さん。淡々と語られる一族の歴史は、どこか滑稽さを感じさせる部分もあり、それでいて残酷で哀しい。登場人物たちは、みな町一番の美しさを持ちながら、というか持ってるが故に、「不道徳」な人生を歩み、老いていくにつれぶくぶくと醜く肥大していく。悲哀に満ちた物語でありながら、淡々とした語り口がそれをあまり感じさせないような。それでいて、読了後にはなにか胸にひたひたと押し寄せるものがありました。
「愛」を渇望するが故に「不道徳」な人生を歩んだ一族の歴史。・・・と言っては、ちょっと違うような気もするけど。そんなお話でした。
・・・うーーん。相変わらず、なんか、上手く言葉に出来ないなぁ;;;
・1、2、3、悠久!
・ジャグリン・パパの愛撫の手
・プラスチックの恋人
・ぼくの代わりに歌ってくれ
・地球で最後の日
(2010.07.06読了)
2010年07月12日
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Tracked: 2010-10-05 23:52
ページ数は短いですけど、ずしっと余韻の残る作品だったと思います。
濃厚で、官能的で。言葉で表すのは難しいです。
まさに桜庭ワールドですね。
桜庭ワールド堪能。って感じでしたね。
短いながら、余韻に残る作品でした。
ちょっと残念な読書だったんですね^^;たしかに桜庭さんって何世代にも亘る作品が多いですね~。
実は私もイラストはちょっと苦手だったんです^^;なので、感想ではイラストには触れてません(笑)
あえてあのイラストを配するところが、これまた食えない感じで。
あと、「美しいことは幸せとはかぎらない」というのは、桜庭さんの主要テーマの一つな気がしました。
そうそう!桜庭さんって真面目なのか不真面目なのか、どっち!?って感じだよねぇ^^;そこが魅力なんだろうけどね(笑)
イラストはイマイチ私の趣味じゃなかったのよねぇ^^;;;
「美しいことは幸せとはかぎらない」って、確かに桜庭さんの作品では感じることだね~。言われて気付いた!
残酷で、哀しくて、美しい。
まさにそういう物語だったと思います。
あの一族、どうやって子供を残したんだろう。。。と思う人たちもいましたが(^_^;)。
そこを邪推するのが、ちょっと楽しかったです。
(↑私こそ不道徳?)
あぁ、そうですね。「残酷で、哀しくて、美しい」そんな作品でしたね~。
不道徳?いやいや。邪推したくなるお気持ち、よーく分かります!