第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。 そして、著者のデビュー作。
ずっと前から読みたいと思ってたんですが、そこそこの分厚さになかなか手に取れなかった本書。図書館がしばらく休館期間に入るということで、そのイキオイで借りてきました(笑)
面白かった!面白かったけど、良くも悪くもデビュー作だな、とも思いました。デビュー作でこれは凄い!と思いつつ、ちょっと冗長さを感じる部分とかが気になったりもして。そして、ホラーなのかミステリなのかよく分からないっていうか、どっちもある意味、中途半端な感じもして・・・。
あら?なんかだんだんと辛口風になってきちゃったような気もしますが(笑)いやいや、ホントに面白かったんですよ。面白かったので、デビュー作だっていうのについつい欲が出ちゃうんですよ、きっとね。うん。
最初はホラー色が強い。夜中にひとりっきりの家で読んでたんで、結構、ぞわぞわしちゃいました。ふと気づくと、シーーーンと静まり返った家。それに気づいちゃたら、顔を上げられない、本の上から視線を外せない。自分の心臓の音がだんだん気になってきて、余計にバクバク・・・。私は怖いTVを見たり、本を読んだりすると、夜、トイレに行けなくなる人なんですよねー;;;昼間に読めばよかったと、夜に読み始めた事をかなり後悔しました。
で、そういう感じでホラーだと思って読んでいると、だんだんとミステリ色が強くなってくる。・・・あれ?って感じでした。まぁ、「ホラーサスペンス大賞」ですからね。どっちもあって当然なんですけど、最初が「ホラー」の括りで読んでたので、だんだんとミステリ色の方が強くなってきて、そこにちょっと戸惑ってしまった部分もありました。とはいえ、ホラー部分というかね、超常現象としか説明されていない、説明できない部分というのも最後まで残されていたりもして。そういう意味では、ホラーとミステリとどっちも混在していて、そこがこの作品の魅力の一つでもあるんだろうな、と。
デビュー作とはいえ道尾作品なので、「うわぁ、ヤラレたっ!」というラストがくると身構えてたんだけど、それはなかった。子供失踪事件の方の犯人とかも予想通りだったし。そういう意味では、ちょっと残念だったかなー。
・・・やっぱり、なんだか辛口気味のような;;;道尾作品は、最近の作品ばかりを読んでて、初期作品にはほとんど手をつけてないんですよね。なので、余計に色々と気になるところがあるんでしょうね。だって、「ちょっと残念」とかいいながら、実のところ、貪るように一気読みしちゃったんですから(笑)
ということで、ホントに面白かった。次は2作目、3作目と出版順に追いかけていきたいと思います。
(2010.06.19読了)
2010年06月23日
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