「ジーン・ワルツ」と対になる作品。「ジーン・ワルツ」の主人公である曾根崎理恵の代理母となった母親みどりを主人公にした作品。
面白かった!ここ最近の海堂作品はちょっとねぇ;;;なのが続いてたので、読むのを躊躇ったくらいちょっと不安だったんです。でも、それは杞憂でした。「ジーン・ワルツ」と対になった作品ってこともあったからかな。実は海堂作品の中で一番好きな作品が「ジーン・ワルツ」なんですよね~。久々に海堂作品を夢中で貪るように読んだような気がします。
「ジーン・ワルツ」では描かれなかった、代理母となった母親の物語。あの時はこういう感じだったのか~とか、なるほどなるほどーと思うことが多かった。こういう風に同じモノゴトを違った面で読めるっていうのは、それだけで面白い。ましてやそれが大好きな作品で、女性の立場としても気になるテーマであればなおさら。
「ジーン・ワルツ」とは違った見方で理恵を見れたのも良かった。良かったというか、ある意味、面白かったっていうか。母親の立場で理恵を見ると・・・単なる気の強いワガママ娘じゃないか!と思ってしまったのは私だけでしょうか(笑)母親に甘えてるだけ、っていうことなんでしょうが、自分の代理母になってくれる母親に対して、もうちょっと説明とかね、いくらなんでも必要でしょう!と思っちゃいました。いくらOKしたとはいえ、娘の願いで妊娠・出産してくれるんだからさ~。出産の恐さを充分に知り尽くしている産科医なら特にね。
自分の娘の代理母となる。みどりの躊躇・葛藤・不安・喜びなどなど、揺れる気持ちは理解出来るし、揺れなければ嘘だと思う。とはいえ、私には実際に出産の経験はないので、想像するしかないんですけどね;;;
代理母問題。今でも不妊に悩む夫婦は沢山います。彼らが親となる喜びをスッキリと味わえるようになれればいいな、と個人的には思ってますが。その為には、色々と越えなければならない壁や解決しなければならない問題は、私が想像する以上に多く、本当に大変なんでしょうね。
(2010.05.04読了)
2010年05月15日
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私も思いました。「理恵はお母さんにちゃんと説明しなさいよ!」って・・・。
産科医療改革のための論理と冷徹のとはいえ、子供を託しているのですし、ねぇ。
とはいえ、みどりが代理母を請け負った気持ち、その後の心の動きが丁寧に描かれていて、ちょっと安心しました。「ジーン・ワルツ」の時は、何考えてるんだか分らない人だな~と思っていたので。
理恵の説明不足には思わず突っ込みたくなりましたね~。
「ジーン・ワルツ」ではほとんど描かれてなかったので、子の作品でみどりの気持ちが分かって、私も安心というか、納得しました。