涙、涙、涙・・・。涙ナシでは読めないお話でした。
「みをつくし料理帖」シリーズですっかり魅了された髙田さん。涙腺を刺激されまくりなんですが、この作品もやっぱり同じように涙腺が緩みっ放しの読書となりました。
今まで読んだ作品とは違って、主人公は男なんですよね。そこら辺はどうかな、と思ったんですが、そういうところを気にした私がバカでした;;;大阪の寒天問屋を舞台に、仇討ちで父親を亡くし、寒天問屋の主人に助けられた少年が、様々な困難に襲われながらも、強くひたむきに生きる。そして、ある出会いから新たな寒天作りを志し、それを成し遂げるまでを描いた作品。
・・・と、あらすじ紹介をしちゃった(笑)あ、それもネタバレ気味だし;;;
江戸時代ってこんなに頻繁に火事が起こっていたんですね。なんとか再起出来た!と思った途端、火の海に襲われて一から出直し。親しい人とも突然の別れがやってくる。火事によって運命を左右される。それでも、また再起に向けて立ち上がる人々。「生きる」ことへの執念というか、力強さをヒシヒシと感じました。
大阪商人の心意気、主人公を取り巻く人々の人情、初恋の少女との試練、新しい寒天を生み出すための試行錯誤などなど・・・。いろんな魅力が満載で、先を読むのが止められず一気読み。実は外出予定があったのをキャンセルまでしちゃって読み耽ってしまいました(笑)
松吉を襲う苦労の数々に、もうそこら辺でやめてよー;;;と涙。寒天問屋主人の和助や、松吉を取り巻く人々の優しさに涙。真帆とのままならない恋に涙。ラストでようやくホッと出来て、今度は笑顔を浮かべながらの涙・・・。と、最初にも書きましたが本当に涙ナシでは読めない作品でした。・・・泣きすぎ!と誰かに突っ込みをいれられそうなくらい泣きまくってしまいました。
あ、それから髙田さんでは外せない、美味しい料理の数々も魅力の一つ。「琥珀寒」を食べたいよーぅ!そして、やっぱり羊羹が食べたくなった(笑)・・・最近、こういう美味しそうなお料理が登場する作品ばかりを読んでるような気がする;;;食欲を刺激されまくってばっかりで、キケンに満ちた読書の日々。。。
これで髙田作品はコンプリートかな。
ということで、早く「みをつくし料理帖」の続編が読みたいよーっ!
(2010.05.29読了)
2010年05月31日
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高田郁/「銀二貫」/幻冬舎刊
Excerpt: 高田郁さんの「銀二貫」。 大阪天満の寒天問屋『井川屋』を営む和助は、大火で焼けた天満宮再建の為の寄進である銀二貫を 収めに行く途中、若者が仇討ちと称して父子に斬りつけている場面に出くわす。和助はそこ..
Weblog: ミステリ読書録
Tracked: 2010-06-01 07:12
良かったですよね~!私は涙腺がとっても緩いので、これはもう、いつも以上に泣きまくりでした^^;
「みをつくし料理帖」もいいですよ。私は好きです~。是非、お手にとってみて下さいね!
・・・と、人様には言いますが、私も図書館本に阻まれて積読本が山となっていたりします(笑)