2010年04月04日

天地明察(冲方丁)

初読み作家さん。意味もなくハードボイルド系だと思っていたので、なかなか手が出なかったんですが、「本屋大賞」にノミネートされていたので読んでみました。

江戸時代、日本独自の暦を作ることに生涯をかけた渋川春海の物語。

うわーどうしよう、どうしよう、うわー明日も仕事なんだけどなー、もう寝なきゃいけないんだけどー、うわーどうしよー!と1章毎に時計とニラメッコしながら、それでも続きが気になって止められなくって・・・一気に読了。面白かった!

将軍お抱えの碁打ち衆のひとりである渋川春海こと安井算哲。碁よりも算術や暦学に惹かれている彼の、算術にかける強い思い、そして、天体や暦に対する思いが全編に渡って熱く語られる。もうね、その熱意に圧倒されまくり。読んでるこちらまで、算術や暦についつい熱い思いを抱いてしまう(笑)もちろん、簡単に事業をなせた訳ではなく、20年間で挫折、辛い別れも経験する。それでも、「暦を変えるんだ」という強い意志で最後にはそれを成し遂げてしまう春海に涙したり、関孝和との交流(というか勝負?)にはドキドキハラハラしたり、えんとのやりとりに思わず笑っちゃったりと、なんか忙しかったんですが(笑)、本当に楽しい読書でした。

碁・算術・暦といろいろなジャンルが満載ですが、それらが上手く調和して素敵な作品となっていました。とーーーーーっても面白かった!大満足。

実はですね、これを読みながら思い出していたのが「4千万歩の男」(井上ひさし)という、江戸時代、日本全国を歩いて日本地図を作った伊能忠敬の物語。随分前に読んだ作品なんだけど、なんだかもう一度、読みたくなちゃったり・・・。うーーん、ある意味キケンな作品でした(笑)


(2010.04.01読了)



天地明察
角川書店(角川グループパブリッシング)
冲方 丁

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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 15:32| Comment(6) | TrackBack(7) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは^^TBさせていただきました。
本当に面白かったですよねぇ。
言葉が難しいところも多々ありましたが、引き込まれて読む手は止まらなかったです。
渋川春海という人物が本当に素晴らしい人だったんですよね、きっと。
怒られてばかりですけど、愛ゆえだと言う事が分かりますし、たくさんの人に助けられ、見守られている事も分かりました。
読んでよかったと思いました。
Posted by 苗坊 at 2010年07月29日 10:23
>苗坊さん
面白かったですねーっ!これを読んだ時に「本屋大賞はこれだ!」と思いました。
物語もですが、春海を始め登場人物たちがまた素晴らしかったですね。
私も読んで良かったと思いました♪
Posted by すずな at 2010年08月02日 12:47
春海の人柄が好きです。
春海はじめ、素敵な登場人物たちでした。
そして、えんは、気が強そうですが、春海とのやり取りに、にんまりしました。
Posted by at 2010年09月08日 21:23
>花さん
春海の人柄!ホントそうですね~。花さんのおっしゃる通り、他の登場人物たちも魅力的でした。
えんと春海のやりとりも楽しかったですね♪
Posted by すずな at 2010年09月10日 12:47
すずなさん こんばんは
ま、まずい、井上ひさし「4千万歩の男」
要チェックです!!!
Posted by yori at 2012年06月29日 00:24
>yoriさん
ふふふふ。
…って、私も読みたい病が再発しちゃったような気が^^;
Posted by すずな at 2012年06月29日 17:15
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