2010年03月28日

無理(奥田英朗)

分厚さに負けず劣らず面白くって夢中で読んだ。けど、ラストは・・・。

3つの町が合併して出来た地方都市ゆめの市。そこで暮らす5人の人々が、だんだんと逃れられない無理な事件へと陥っていく・・・。

県庁からの出向できている市の福祉課で働くケースワーカー。東京の大学へ進学しようと決めている女子高校生。暴走族OBで詐欺まがいの商品を売りつける会社の営業マン。新興宗教に嵌るスーパーの保安員。県議に打って出るつもりの市会議員。それぞれが、日々の暮らしや土地に不満を持ちつつ生きている。最初は5人の主人公に戸惑いつつ読んでいたんですが、だんだんとはまってくると気にならなくなって、それぞれが気づかぬ内に陥っていく解決できない事柄に、ある意味ワクワクしながら読みました。・・・悪趣味(笑)

それぞれの繋がりはないんだけど、いつの間にやらちょっとずつ関係していっているのも面白かった。でも、その繋がりは本人同士ってことはなくって、最後までうっすーーーーーいまま。本人達は全く気づかず、っていうか関係ないっていえば関係ないままで。そこはね、もっとそこら辺が絡まりに絡まって最後にどっかーーーんと怒涛のようなラストになって欲しかったなぁと、思っちゃいました。そういう意味ではちょっと不満。

てか、タイトル通りに5人が「無理」ってことに巻き込まれて、どん詰まり状態になっていってて・・・。で、最後のオチはどうなるんだろう?ってかなりワクワクさせられたんだよね。それが、あのオチって・・・。いくらタイトルが「無理」だからって、「これを締めるのは”無理”」って著者がお手上げ状態だったような、そんなラストにしなくっても・・・ねぇ。こういうのってアリですか?と突っ込みたい気分も無きにしもあらずって感じです。

だって、この後、あの5人がどうなったのかがすっごく気になるんですけど・・・。


(2010.03.27読了)



無理
文藝春秋
奥田 英朗

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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 16:27| Comment(0) | TrackBack(3) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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