シリーズ2作目。連作短編集。
ずっと前に購入したものの積読本の山の中に埋もれていました;;;今回、このシリーズの3作目が出版されたので、「早く読まな!」と自分をせっついてやっと手にとりました。
・・・で、一気読み。1作目に負けず劣らず面白かった。
1章目から、あいかわらずの登龍楼の嫌がらせ。むー。と思いつつ、これはですね、「あ~きっとそうだ」と思った通りの展開になりまして。ちょっと先が読めちゃいましたね。でも、それはそれで予定調和のような安心感とか思っちゃうのは贔屓目でしょうか(笑)
登龍楼の嫌がらせが終わったと思ったら、幼馴染の野江ちゃんへの心配事。そして、麻疹の流行と、澪への苦難は続きます。それでも、負けずにぐっと前を向いて進んでいく澪の強さ。ほれぼれしつつ、うっかり涙が・・・。この作品は涙なしでは読めませんね。
物語の魅力もさることながら、澪の作る料理も美味しそうで。夜中に読むのは本当に危険です。おまけに、その料理がやたら難しそうなものではなくって、私でも出来るかも、とかうっかり思えちゃいそうなものばかりなんだもん。今度、作ってみようかなーなんて、その気になっちゃいます(笑)
季節の移ろいを大切に、その旬を逃さず料理する。そして、それを堪能する江戸の人々。読みながら、羨ましいという気持ちも生れます。もちろん今だって、季節を大切に、その旬を味わうことはしていると思うけれど、この作品に描かれている江戸の人々のようには堪能していないんじゃないのかな、と思えてしまって・・・。だって、旬の季節のわからない野菜も沢山あるもんなー。いつでも食べられるってのは、それはそれでいいとは思うんだけど、なんだかちょっと損してるような気がしないでもないんですよね。これって、無いものねだりとはちょっと意味が違うとは思うんだけど、そういうものなんでしょうかねぇ。
料理一筋だった澪にもほのかな恋心が芽生えたのも、今後が楽しみになったひとつです。小松原との行く末、彼の正体と共にとっても気になりますねぇ(笑)
・俎橋からーほろにが蕗ご飯
・花散らしの雨ーこぼれ梅
・一粒符ーなめらか葛饅頭
・銀菊ー忍び瓜
(2010.03.19読了)
2010年03月21日
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忍び瓜なら作れるかなぁ?と、思い切り自分にハードルを低くしてみます。
季節の食材を追いかけていくところで、有川さんの『植物図鑑』を思い出したりしました。
私も「忍び瓜なら・・・」って同じこと思った(笑)
あ、そうそう。これを読むと「植物図鑑」を思い出すね。
私も忍び瓜なら作れるかなーと思いました^^作っていませんが←
登龍楼の嫌がらせにはイ~~~!!となりましたし、そのあとの野江ちゃんのことも麻疹の流行もホント読んでいて辛かったです。
でも、何とかなって良かった~・・・
まだまだ続きがあるので楽しみに読みたいと思います^^
忍び瓜…結局、私も作っていません(笑)
登龍楼の嫌がらせには、ほんっとにムカムカきますよねー!それだけでも大変なのに、澪にはこれでもか、これでもかと様々なことが降りかかってきて…。読むのが辛かったりもしますが、それに負けない澪に励まされます。
昨日、最終巻を読み終わりました!苗坊さんと、語り合えるのを楽しみにしてます♪