ホラー。思いっきりホラー!!
この本の表紙イラストを描かれている鴻池朋子さんの展示会を観たのがきっかけで手にした本。鴻池さんの作品は、どちらかというとグロテスクな部類に入ると思うんだけど、でも、すごくインパクトがあって惹かれてしまうという作品ばかりでした。特に「赤ん坊」という作品は圧巻で、見た瞬間、うわ~~~~と思わず声が漏れ、ついついその場に立ち尽くし見入ってしまいました。いや、凄かった。また観たい!
その時に、この作品の存在を知ったんですが、その時は地元図書館に蔵書はなく。買うべきかどうか迷っている間に、何故か購入されていたようです(笑)棚に並んでいるのを見つけて、その場で手にとりました。
装丁から想像される通りのホラー。ぞわぞわぞわわわわわわとなって、ぎゃーーーっと叫びたくなるくらいの気持ち悪さ、禍々しさでした。朱川作品って、多少のホラーっぽさは感じるものの、最後はほんわかと温かさを感じる優しい作品って印象があったんですが、この作品ではそんな印象を一気に払拭させられました。
7つの短編そのどれもが、本当に気持ち悪いっていうかですね、スッキリするものが一つも無いんですよ!ぎゃーーーっと叫んで持ってる本を投げてしまいたくなったこともありました。特に「はだれの日」は気持ち悪かった。これは先が読めたんだけど、読めたんだけど気持ち悪いんだよ!てか、最後の祖母の行動は読めなかった;;;この行動が一番、ぎゃーーーっでした。お陰で、当分ハンバーグは食べたくない。見たくもない。こうやって感想を書きつつ想像しただけで胸が・・・。
と、後味もめちゃめちゃ悪いホラーでした。でもね、ちょっと癖になりそうな気もしないでもないんですよね。朱川作品でこんなホラー系の作品を探してみようかな、と思ったりもしてます。・・・恐いもの見たさ?
・枯葉の日
・しぐれの日
・はだれの日
・虎落の日
(もがり)
・薄氷の日
・微熱の日
・病猫の日
(2010.03.10読了)
2010年03月20日
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恐怖感よりも遣り切れなさ,遣る瀬無さを感じる作品でした。
ただ,妙な清涼感も残るんですよね。
確かに癖になりそうな読後感が魅力的です。
あぁ、たしかに遣る瀬無さも強く感じる作品でしたね。たまらない;;;・・・でも、ついもっと読みたいと思っちゃう。不思議な魅力の作品でした。