あぁ、やっぱり好きだ。とーーーっても好きだ!すっごくいい!
心の中で何度も大絶賛しつつの再読となりました。「時と人」シリーズ第1弾。実は私が北村作品と出会ったのがこの作品だったんですよね。 なので、思い入れもあってなのか今でも北村作品BEST1はこの作品です。というか、私の愛読書10冊の中の1冊でもあります。今回、やぁーーーっと北村さんが直木賞を受賞されまして、ついつい再読したくなったのでした。まぁ、私としてはこの作品で獲って欲しかったっていうのが本音ですけどね・・・。
17歳の真理子は、昼寝から目覚めたら25年の時が過ぎ、高校生の娘と夫のいる42歳になっていた。どうしてこんなことに・・・と思いつつ、「今」を懸命に生きようと進み始める・・・。
最初に読んだ時は「一ノ瀬真理子」と近い歳だった私ですが、再読した今回は「桜木真理子」に近い歳になっています;;;月日の流れは恐ろしい(笑)そんな訳で、今回は今まで読んだ時とは違う読み方が出来たんじゃないかなぁと思います。なんていうのかな、より42歳の真理子に寄り添って読めたような、そんな気がするっていうか・・・ね。気持ちは17歳のままでも身体は42歳。衰えた容姿を直視した時の衝撃、戻せない時の残酷さ、そんなものがリアルにヒシヒシと実感できるんですよ;;;「時を跳んだ」というのはなんとか納得できても、そんな身体の変化をすんなり納得なんて出来ないよねぇ。
何度も読み直した本書なので、展開も分かっているのに、それでもやっぱり真理子さんの前向きな姿勢に感動すら覚えつつ、夢中になって貪り読みました。気持ちは同じ高校生でありながら、「先生」として教壇に立つ。私だったら「出来ないよー;;;無理無理!」と最初から諦めてしまいそう。それを「やろう」という気持ちになるだけでもすごい。もうね、自分を省みてめっちゃ凹みそうになってしまいます;;;
「戻れない」ということを自覚し、現状を受け入れ、前向きに、懸命に生きようとする真理子の姿に、言葉では言い表せないくらいの清々しさを感じられるラスト。娘と夫と、これから新たな、素敵な家族を作っていけるんだろうと確信できる。そんなラストが本当に大好きです!
2009年07月26日
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そう!
やっぱ北村さんといえば「時と人」シリーズですね。
ぼくも「スキップ」は傑作だと思う!
うん!まちがいないっ!
おぉ!賛同者がっ(喜)
随分前の作品なのに、今読んでも全く色褪せてなかったです!